ポッカサッポロフード&ビバレッジの豆乳ヨーグルトカテゴリーが右肩上がりに成長している。
「SOYBIO(ソイビオ)豆乳ヨーグルト プレーン無糖400g」(以下、ソイビオ)とトクホの「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」トータルの前期(12月期)売上高は前年比20%増の21億円に達し、豆乳ヨーグルト市場の過半のシェアを握る。
今年1-8月も「ソイビオ」が牽引役となり前年同期比20%増となった。
これには、「ソイビオ」で杉野遥亮さんを起用したWEB動画やハローキティのオリジナルQUOカードが当たるキャンペーンが奏功したことに加えて、TV番組で豆乳ヨーグルトが取り上げられたことが追い風となった。
取材に応じたレモン・プランツミルク事業本部の小笠原千春グループリーダーは「ハローキティをあしらったパッケージでトライアル喚起につながり、4月以降、スーパー様を中心にお取り扱いが増え売場が拡大している」と述べる。
直近では、トライアル獲得を目的に9月4日出荷分から10%増量施策を実施したことが功を奏して9月単月は30%台の伸び率で推移している。
トライアル施策では主に豆乳ヨーグルトの健康価値に気がつく50~60代の女性を獲得。
豆乳ヨーグルトとは、豆乳を乳酸菌で発酵させてつくられる植物性ヨーグルトのことで、一般的に大豆たんぱく質や大豆イソフラボンが摂取できるほか、コレステロールゼロでヨーグルトに比べて低カロリーで低糖質の設計が特徴となっている。乳製品を使用していないことから乳アレルギーの人にも適している。
「コロナ禍によって健康志向が高まり、ヨーグルトの中で豆乳×乳酸菌の栄養がコレステロールゼロで手軽に摂取できる点に支持が集まっている。中でも『ソイビオ』は低脂肪で食物繊維も手軽に摂れるということで選ばれている」と説明する。
近年では、健康価値に加えて環境配慮の観点から選ばれる傾向も見て取れるという。
一般的に植物性ミルクは、動物性ミルク(牛乳)に比べてCO2排出削減につながるなど環境にやさしいとされる。
「ソイビオ」に次ぐ豆乳ヨーグルトの柱となる「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」は、小型カップ入りヨーグルト市場が2ケタ減と推定される中で善戦。プレーン・アロエ・ブルーベリーの3種をラインアップし、そのうち高い導入率のプレーンに続いて、アロエとブルーベリーのフルーツフレーバーの採用も広がっている。
豆乳ヨーグルト市場は現在50億円弱と推定され、同社では今年1-12月で60億円を突破する可能性があるとみている。
同社は、豆乳ヨーグルトの需要が高まる秋冬に向けて勢いを加速させる。
「『ソイビオ』は認知率・トライアルがともにまだまだ不十分」との課題意識の下、植物性ヨーグルト全体で、レシートを集めて応募すると抽選でハローキティのQUOカードが当たる消費者キャンペーンを10月4日から12月5日かけて実施していく。
これに加えて、杉野遥亮さんの新WEB動画の公開や10月12日の「豆乳の日」にあわせて店頭露出を拡大していく。
豆乳ヨーグルトに続いてアーモンドミルクを乳酸菌で発酵させたヨーグルトにも挑む。
今年新たに立ち上げた「Green Bio(グリーンビオ)」ブランドから、9月27日に「アーモンドミルクヨーグルト プレーンの無糖タイプ」の大容量(350g)商品を新発売した。
同商品は、アーモンドペーストを使用したアーモンドミルクを4種の生きた乳酸菌で発酵したアーモンドミルクヨーグルト。
1カップにカルフォルニア州産のアーモンド約38粒分が入っており、一日分のビタミンEと乳酸菌が効率よく一緒に摂取できるほか、発酵性食物繊維「イヌリア」も加えて栄養価値を高めた設計となっている。
コレステロールゼロと乳製品不使用も特徴で、税別380円の希望小売価格で販売される。
「グリーンビオ」では、アーモンドミルクヨーグルトを皮切りに豆乳以外の植物性ミルクを乳酸菌発酵させたヨーグルトを展開していく構え。
「植物性ミルクの広がりが狙い。豆乳以外の植物性ミルクを発酵させたヨーグルトで生活者の選択肢を広げていきたい」と意欲をのぞかせる。
「グリーンビオ」の特徴については「やはりアーモンドミルクの栄養素ということで1日分のビタミンEが乳酸菌とともに摂れるのが一番のアピールポイント」と胸を張る。
パッケージでは環境にも配慮。一般的に植物性ミルクは、動物性ミルク(牛乳)に比べてCO2排出削減につながるなど環境にやさしいとされている。
「グリーンビオ」では容器にバイオマスインキを使用し、容器面でも環境に配慮している。
発売後、SNSでプレゼントキャンペーンを実施する。
店頭では前述のレシートを集めて応募すると抽選でハローキティのQUOカードが当たる消費者キャンペーンを展開していく。
なお「グリーンビオ」は春先から一部店舗で「オリジナル」と「カカオ」の100gカップ2品を販売。現在は「カカオ」を「ブルーベリー」に差し替えて販売を続けている。