三菱食品の京谷裕社長は第2四半期決算説明会で、「中期経営計画2023」の取り組み状況について、次のように語った。
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「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」をパーパスに掲げ、成長戦略とサステナビリティ重点課題への取り組みを推進し、新たな経済価値・社会価値・環境価値の継続的な創出に取り組んでいる。
成長戦略では、フルエリア・フルカテゴリー・フルチャネルを競争力の源泉とし、卸機能の高度化と機能向上、地域での取り組みを推進。次世代食品流通業へと進化し、顧客の皆さまから常に選ばれ続け、信頼される存在となることを目指している。現時点での定量化は難しいが、その取り組みは着実に前進しており、顧客との関係強化が進み、利益の安定化に寄与している。
機能向上の取り組みでは、今年4月に新設した次世代統括組織のもと、デジタルマーケティングプラットフォームを構築し、メーカー・小売業への新たな付加価値提供と顧客課題の解決に取り組んでいる。
デジタル技術を活用した需要創造では、当社が有する独自のビッグデータを活用し、新たな顧客価値の創出を進める。7月にリテールメディアを子会社化し、クックパッドTVの店頭サイネージ事業を継承した。位置情報と行動データを有するUnerry社、レシートデータを有するフェリカネットワークス社と提携し、それぞれのデータを掛け合わせ、より効果的で新たなマーケティング施策を実行する。すでに具体的な取り組みがスタートし、来店客数と売上の向上、コスト削減や販促施策の成果が出ており、今後さらにリテール/メーカーサポートの展開を広げていく。
地域パートナーシップの取り組みでは、それぞれの地域が抱える課題の解決と価値創造を目指す地域創生プラットフォームの構築に着手した。三菱商事グループとも連携し、全国の6次化構想による川上戦略、オンライン×オフラインの川下戦略を横断的に実行、6次産業化のコンサルティングや地域ブランディング、さらにはEC、アンテナショップの展開に向けて今年度から具体的な取り組みを開始した。
成長分野の取り組みでは、海外事業開発にも力を入れている。今年4月に新設した商品統括組織を軸に、メイドインジャパン・メイドバイジャパンの両面で日本の食文化を海外へ広げていく。マーケットインの商品開発力、企画力、調達力を生かし、海外の小売業への商品輸出にとどまらず、日本の食文化を海外に広げることで新たな需要創造につなげていきたい。米国、中国、台湾、タイ、ベトナムを戦略市場と位置づけ、海外での事業開発を進める。
サステナビリティ重点課題の取り組みは、当社が次世代食品流通業へと進化するうえで不可欠であり、成長戦略と同様に重要な位置づけを占めている。食品関連企業におけるサステナビリティトップ企業を目指し、社会価値・環境価値の創出に向けて取り組みを強化していく方針だ。CO2排出削減の取り組みや、商品開発領域における環境配慮型包材への切り替え、自社ブランド商品では賞味期限延長による廃棄ロス削減に向けた取り組みも進める。