4月1日付でニチレイフーズとニチレイフレッシュが統合し、新生「ニチレイフーズ」が誕生して3か月余りが経過した。独自の研究開発や加工技術を駆使したおいしさの再現力と、持続可能な水産品・畜産品の素材調達力を掛け合わせ、新たな価値創造を目指している。
統合担当の三好哲雄取締役常務執行役員経営企画室長は「新体制では成長戦略の柱に『グローバルシフト』『サプライチェーンの強靭化』『新たな顧客創造』の3つを掲げた。すでに国内や北米で新たな販路開拓が進みつつある」と語った。
「グローバルシフト」加速
2005年にニチレイが持株会社体制に移行して以降、約20年にわたりニチレイフーズ(フーズ社)は加工食品、ニチレイフレッシュ(フレッシュ社)は水産・畜産に特化した事業会社として専門性を磨いてきた。
統合の背景について、「国内は人口減や少子高齢化が進み、国際的には円安や紛争等の影響で原材料調達が不安定になっている。このタイミングで再統合した方が企業として力強さを発揮できると判断した」と説明。
統合後の成長戦略で「グローバルシフト」は重要なテーマ。三好取締役は「例えばフーズ社の肉加工品は国・地域によって輸出規制があるものの、フレッシュ社のエビやホタテなど水産素材は世界中に展開できる。加えて、同社は世界各国で販路と仕入れ先を開拓してきた。これらはグローバルシフトを図る上で大きな強み」とした。
直近の事例として、日本からアメリカに冷凍炒飯の輸出が始まったことを紹介。「フレッシュ社は北米の日系レストランに水産素材を販売してきたが、それを仲介する卸を通じて商談がまとまった。輸出専用の炒飯を現地スーパー等で販売中。まだ規模は小さいかもしれないが、海外戦略の新たな一歩を踏み出せた。グループ企業の現地工場で製造するだけでなく、メイド・イン・ジャパンの製品でも可能性を広げたい」と語った。第2弾でおにぎりや今川焼の輸出を検討中。

「サプライチェーンの強靭化」では、グローバルな原材料調達の安定化を図りつつ、生産者に近いフレッシュ社のノウハウを融合したい考えだ。
「フレッシュ社は生産者との関係性が深い。統合後は水産・畜産に加え、農産でも新しい発想で一層の安定的な原材料調達を目指す」。
「新たな顧客創造」では、水産・畜産の素材そのものから加工度の高い最終製品まで揃う新体制の強みを生かす。
シナジーの一例として三好取締役は「フーズ社は長年にわたり業務用卸と関係を強化してきたが、統合後はフレッシュ社の素材も合わせて営業窓口を一本化。互いの販路へ新たな商材を提案でき、ユーザー(外食チェーン等)にとっては利便性が高まる」と話した。
統合を機に商品開発やブランディングでも相乗効果を目指す。フレッシュ社は2006年からエビの養殖地域でマングローブの植樹活動「生命(いのち)の森プロジェクト」を続ける。生産者とのパートナーシップにより、独自の飼料で育てた「亜麻仁の恵み」ブランドの鶏・豚・牛も展開。

フーズ社は家庭用・業務用でこれらを使用した商品化を加速している。 三好取締役は「フレッシュ社は水産・畜産で数多くのこだわり素材を手がけてきた。ただし、事業がBtoB主体だったこともあり、その価値を生活者に直接伝える機会は限られていた。フーズ社と一緒になったことで、より積極的にストーリーや価値を発信していく」と語った。
