伊藤忠製糖×藤田医科大 プレ・プロバイオティクス共同研究 医学治療と併せ新治療法開発へ

伊藤忠製糖(愛知県碧南市)と藤田医科大学(愛知県豊明市)は8月1日、共同研究講座「医科プレ・プロバイオティクス講座」を開設する。腸内細菌叢(腸内フローラ)の働きが疾病やQOL(生活の質)にもたらす効果を医学的に検証する。乳酸菌関連ベンチャーなども研究に参画する。期間は2024年7月末までの2年間。

腸内細菌叢には、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌と大腸菌などの悪玉菌があり、それらがバランスよく共生することで健康が維持される。最近の研究では、腸内フローラの乱れ(ディスバイオシス)が、炎症性腸疾患や癌、糖尿病、動脈硬化症などの疾患に関連してくることが明らかになっている。

ディスバイオシスを改善するには、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスや、それら細菌の栄養源(増殖要因)となるオリゴ糖や植物繊維などのプレバイオティクスの摂取が有効とされているが、これまでその手法についての十分な研究は行われていなかった。

共同研究講座では、国内最大規模の病床数を誇る藤田医科大学病院とフラクトオリゴ糖やケストース粉末など機能性食品の開発に取り組む伊藤忠製糖が連携し、ディスバイオシス改善が疾病やQOLに与える効果を調査・研究する。また、プレ・プロバイオティクスを組み合わせた独自のシンバイオティクスを開発し、現行の医学的治療と併せた新たな治療法の確立にも着手する考えだ。

伊藤忠製糖は、今回の共同研究の成果を今後の機能性食品開発に活かす。「食品メーカーとして、病気になる前の方々の食事に共同研究の成果を応用することで、病気になりにくい体づくりを目指していきたい」としている。