中・高価格帯商品強化を掲げるハチ食品は、「当社の成長を支える一つの大きな商品群」(高橋慎一社長)とする旅行情報誌「るるぶ」とコラボした人気レトルトシリーズに、国内版は新たに3地域(横浜、金沢、青森)を加え、さらに初めて「海外版」を3品(韓国、中国、フランス)開発し、9月1日に新発売した。これにより既存8品と新商品6品で14品体制となり、同シリーズの今年度売上高は前期比70%増を見込む。
同シリーズは、「北海道」は「チーズバターカレー」、「京都」は「和だしカレー」のように、全国各地域(観光地)のイメージ、人気の料理や食材を同社得意のカレーと合わせて開発し、パッケージもるるぶ誌のようなデザインで視認性が高いことも加わり、徐々に売上を伸ばしている。
同シリーズなどにより、同社のレトルト商品における中・高価格帯商品の構成比は、19年度の約30%から23年4~6月度累計では40%と、ここ4年強で約10ポイント増えている。
初の海外版は、国内版で展開してきたカレーではなく、新たに「ごはんにかけるシリーズ」として展開する。海外の3品は人気の海外旅行先などから選んだ。
「韓国」は「ごはんにかける タッカルビ」。角切りチーズ入りで、2種類のコチュジャンとごま油、はちみつなどによる甘味と旨味が特徴。「中国」は「同 四川風麻婆豆腐」で、豆板醤の辛味と旨みに2種類の花椒、豆鼓(とうち)などを使用した。「フランス」は「同 彩り野菜のラタトゥイユ」で、8種類の野菜にチーズを加えコク深く仕上げた。各税込324円。
国内版の新商品は、「横浜」は「中華カレー」、「金沢」は「濃厚コク旨カレー」、「青森」は「りんごとガーリックのチキンカレー」としてシリーズに加わる。いずれも中辛で税込270円。
これまで既存の8品でも各小売店でるるぶシリーズとして大きくエンド展開しており、「新たな販売先」としては書店で雑誌のるるぶとともに販売されるなど売場が拡大している。9月から14品に拡充することで、さらなる展開が期待される。