ー新蜜の状況はいかがですか。
光富 南半球のアルゼンチンは採蜜シーズンが終了しており、生産量は平年並だったが、戦争によりウクライナ産の供給が停滞していること、関税の見直しが予定されているため、米国が例年より前倒しで買い付けに入っている。現地養蜂家もこうした需要増を見越して原料を抱え、tあたりで$500上昇。船便も上昇しておりコスト高が続いている。
中国はナタネ蜜、レンゲ蜜ともに平年作。アカシア蜜は生産地によってバラツキがあり河南省、山東省、陝西省では採れているが、山間エリアでは冷害等により採れなかった。中国経済が引き続き停滞しているので原料相場は大きく変わらないが、日本はドル建て購入している。為替や諸コスト高もあり、安くはならない。6月末から日本向けの商談がスタートすることになる。
昨年大不作だった東欧は、アカシア蜜の採集が終わっており、今年はおしなべて平年作。相場は大きく上昇していないが円安為替もあるので国内市場では上昇するのではないか。
ーその他の産地では。
光富ー業務用原料でも人気の高いミャンマー産の相場が急騰している。世界に冠たる生産国・中国産は生産量、豊富な密源、品質の高さが特徴的。アルゼンチン産より安価なので重用され。ミャンマー産は関税がないため中国産よりも比較的安く輸入できる。
ミャンマー産は9月から3月までが採蜜シーズンだが、経済制裁の影響や天災による物流インフラの停滞もあり、ドル建ての実績比で1・4倍に跳ね上がった。
商社会メンバーも輸入しているが、相場の急騰でベトナム産の輸入にシフトする傾向が見られる。残念ながらミャンマー産の相場価格が元どおりになるとは思えない。これまでのように中国産の代替となるのは難しい。
ー偽和蜂蜜について。
光富 25年の蜂蜜輸入量は5万3千t。当商社会の会員企業の輸入量はこのうち約3万t。残りの2万3千tは非会員企業の商社などが輸入している。業界で近年問題になっている偽和蜂蜜は約1万2千tあると推定している。
1万2千tはかなりの規模で、NB各社は満遍なくシェアが奪われている印象だ。偽和蜂蜜については純粋でないものを純粋100%と謳っている問題をはじめ、様々な議論がある。他方、消費者は、あり得ない価格でも「純粋蜂蜜」と謳っていれば購入する、ということにも気付かされる。
蜂蜜がもつ健康で美味しいイメージは消費者にきちんと理解していただけている、ならば私たち輸入商社を含め、業界を挙げて、きちんと純粋蜂蜜の価値を啓蒙する事が必要だ。
食品業界ではこの20年で、食育活動がメーカーや団体などが盛んに実施している。蜂蜜業界でも一部の企業が単体で実施しているのをよく目にするし、蜂産品団体もイベント出展して啓蒙活動をするようになった。養蜂から始まる蜂産品はストーリー性もある。地道な作業ではあるが次世代の子供たちに蜂産品の魅力、美味しさをコツコツと伝えていくことが大事だと思う。

