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加工食品乾麺・乾物そばの更科 三島一貴社長 事業承継で地元の味を広めたい 伝統製法の「奥美濃そば」

そばの更科 三島一貴社長 事業承継で地元の味を広めたい 伝統製法の「奥美濃そば」

岐阜県郡上市白鳥町の長良川の近くに工場を構える「そばの更科」は、創業1978年の老舗製麺所。伝統製法の「古式しまだ式麺」を継承した「奥美濃そば」シリーズの「郡上石臼挽そば」「茶そば」「山芋そば」「韃靼そば」など主力の乾麺に加え、生麺、ゆで麺、冷凍麺、蒸し麺を幅広く手掛ける。

23年に事業を引き継いだ三島一貴社長は、IT企業の経営や郡上市議会議員を経験。地元で愛される企業を守り、事業を拡大していくため奔走している。

創業スタッフだった前社長の永田絢二氏が91年から全国でそばを食べ歩き、しまだ麺を食べた味に感動、この味を全国に展開しようとそば事業を始めた。それから30年以上、高齢化が進んだこともあって廃業を視野に入れ徐々に事業を縮小、最盛期は3億円あった年商は3000万円になっていた。その中で永田氏は、この味や製法を引き継いでもらいたいと郡上市商工会が進める事業承継に登録した。

三島社長は以前もこの事業承継の取り組みでレストラン経営を引き継いでいることに加え、ネット通販の強化が期待できるIT企業経営などの経験が期待され、商工会から「そばの更科」を紹介された。

三島社長は「レストラン事業に取り組む中で、食品製造メーカーにも興味を持ち始めていた。地元で愛されるしまだ麺がなくなるのは惜しいという思いもあり、事業承継を決めた」と話す。

事業承継でまず取り組んだのが新商品の開発。郡上市議会議員を16年から2期務め、耕作放棄地問題に取り組んでいた際、知り合いの農家からは手間の多い米の生産から、そばの生産に変えていきたいという声を聞いていた。そのため地元で作るそばを最大限に生かす石臼挽きの機械を導入し、伝統製法の「古式しまだ式麺」で作る「郡上石臼挽そば」を開発した。

時間をかけて石臼挽き製粉にすることで、製粉時に熱が出にくく、そば本来の味や香りを損なわない。さらに伝統製法「古式しまだ式麺」は、麺線を40㎝に切り、棒にひっかけて干すことでムラがなくなり、多加水で仕上げることができる。さらに送風だけで麺の潜熱を利用し60時間かけて乾燥する。モチモチっとした食感に仕上がる麺は、徐々に広がりをみせている。「新商品をきっかけに、奥美濃そばを全国に広めていく」。三島社長は展示会にも出展し自ら会場に足を運んではPRを進めている。数か所の展示会を経験し、「多くの人が行き交う会場では手早く商品をアピールしていく必要がある」と考え、そばの味がダイレクトに分かる「岐阜県郡上市産100%そば茶」も開発した。

三島社長は「奥美濃そばとして商品を訴求したことで、24年の年商は1・5倍まで増えた。そばの更科は最盛期を考えると、まだまだ高いポテンシャルを持っている。奥美濃そばというブランドの認知度を上げていくことで、さらに事業を拡大していきたい」と意気込む。

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