米菓製造販売のマスヤ(三重県伊勢市、森紀之社長)は今春から、関東地区で「おにぎりせんべい 銀しゃり」の本格販売に乗り出した。「銀しゃり」は2012年に発売。同社の看板商品「おにぎりせんべい しょうゆ」に続く第2のフレーバーとして育成を図っている商品。地元の中部地区および近畿地区を中心に西日本エリアで徐々に知名度を上げ、23年には九州でも販売を開始した。そして今回、関東地区でも営業活動を強化。今後は「しょうゆ」と両軸で攻勢をかける。
「銀しゃり」は、ふっくらザクザクのせんべいの表面に、大きさが異なる2種類のつぶ塩をつけて、米の旨味を引き立てた塩せんべい。つぶ塩の濃淡が特徴的で、歯応え・塩加減・独特の旨味・食感と多面的に楽しめる。
「しょうゆ」がどちらかというと小学校低学年までの子どもがいる家庭で高い支持を受けているのに対し、「銀しゃり」の購入層は少し上の年代とのこと。
発売以降は、「しょうゆ」に続く形で、中部→近畿→西日本と徐々に販売エリアを拡大。年間売上も2億円前後で推移していたが、近年需要が急拡大。関東では「しょうゆ」が、すでに「しょうゆ」が定着している西日本では「銀しゃり」の導入が加速した。
結果、「銀しゃり」はシリーズ全体で22年9月期、23年9月期の2年間、年率約140%で急伸長。売上トータルも5億円を超えた。
こうした状況下、「銀しゃり」の生産キャパ拡充を図るとともに、23年秋には「おにぎりせんべい 銀しゃり」拡販プロジェクトを設置した。マスコットキャラクター「しおのすけ・シャルロット」を誕生させるなど、「銀しゃり」のリブランディングを推し進めている。
プロジェクト立ち上げと同タイミングで、「銀しゃり ファミリーパック」が第67回ジャパン・フード・セレクション(23年9月)で最高評価のグランプリを受賞。これも追い風となっている。
今期(24年9月期)も、「銀しゃり」の生産効率化・増産のための投資を実施。この3月から「ファミリーパック」を軸にフルラインアップで「銀しゃり」シリーズを関東地区で売り込んでいく。
同社にとっては先行展開する「しょうゆ」も、関東地区ではまだまだ開拓途上。今後は「銀しゃり」との相乗効果を図りながら、関東での「おにぎりせんべい」ブランドの認知向上と販売拡大を目指す。