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漬物 価値向上と原料確保 価格適正化に並ぶ重要課題

漬物業界は昨年から今年にかけてコスト増に伴う製品価格の適正化作業に追われている。メーカーとして本来取り組みたい付加価値商品の開発や提案、また業界の永遠の課題である原料の安定確保に向けた取り組みに注力できない状況が続く。その中で漬物の価値向上へ果敢に挑戦するメーカーもある。

喫緊課題はコスト増への対応で、出遅れていた漬物も昨秋から今春にかけて浅漬、沢庵、生姜漬、刻み漬、菜類などで製品価格の適正化が進みつつある。ただ、キムチやらっきょう漬のようにシェア争いが激しく、遅れているジャンルもある。

また、8月28日現在で1ドル=146.48円と円安が続いており、輸入原料に依存するジャンルは今後も価格適正化が必要だ。業界全体ではコスト増に対して価格適正化が追い付いていない。産業持続に向けて引き続き取り組みが必要だ。

重要課題はコスト増対応だけではない。価値向上も大きな課題だ。昨今、多くの売場で商品構成が画一化され、マンネリに陥っている。ジャンルや商品によっては低価格が常態化し、陳腐化が否めない。この状況の中、売場側から商品の価値向上が要望されている。

浅漬は加工度が低く、価値向上が難しいが、同ジャンルも量販店からメーカーへ価値向上が要請されている。これを受けて、東海漬物はこれまで市場になかった新商品の開発に着手。第1弾として、そのままでも料理にしてもおいしく食べられる惣菜感覚の浅漬を9月から関東で発売する。

また、片山食品は古漬の売価帯アップに取り組んでいる。茄子、胡瓜、しば漬、にんにく漬の徳用品を店頭想定価格398円で発売。販売好調で、バイヤーから「単価アップができた」と高く評価されている。

原料の安定確保も重要課題だ。農産物が原料の漬物は多くのジャンルで農家の高齢化と作付面積の減少に悩まされている。将来の安定調達に向けて、原料価格の適正化や収穫作業の負担軽減など持続可能な方向性をメーカーが原料農家に示す必要がある。

安定調達は輸入原料でも大きな課題だ。多くを中国に依存するが、リスク回避のためにチャイナプラス1、できればプラス2を目指したい。

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