14.2 C
Tokyo
13.1 C
Osaka
2025 / 10 / 31 金曜日
English
加工食品家庭用塩 上半期は巣ごもり反動続く 価格改定で潮目変わるか
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

家庭用塩 上半期は巣ごもり反動続く 価格改定で潮目変わるか

今シーズン上半期(1~6月期)の家庭用塩市場は販売金額で前年同期比97.7%と実績を割って着地した(インテージ調べ)。実績割れは20、21年の巣ごもりによる需要増の反動が継続していると見られ、7月からは塩事業センターや特殊製法塩メーカーの価格改定が実施されることから、下半期以降の塩需要がどう変化するかが気になるところだ。

家庭用塩は販売数量ベースで長期的に漸減してきた。人口減少や高齢化に加え、国の施策による減塩トレンドもこの状況を形作っている。その一方で、コロナ環境下にあったこの3年間では、家庭内で冷凍食品や惣菜の使用が増加しており、塩を基礎調味料として使用する頻度が減少した可能性も否定できない。

卓上に必須の「食卓塩」は塩事業センターが全国の塩元売を通じて販売しているが、センター塩の昨年度販売数量は2万9千47tと前年度比97.4%だった。

家庭内における基礎調味料としての塩は全般的に漸減傾向とはいえ、調味料メーカーが販売するシーズニングは商品化の例が増加している。輸入岩塩も販売数量は二ケタ増で成長しているなど、ニッチ需要においては新たな芽が出始めている。

専用メニューのシーズニングや輸入岩塩はプライスゾーン、ユニットプライスともに高い商材だが、リベンジ消費の一環としてプチ贅沢ニーズに対応しているのかもしれない。

また、岩塩の需要増はカルシウムなどミネラルが豊富というイメージが健康志向ユーザーに浸透していると見られる。天日塩を含め、プライスゾーンが高めでも、より付加価値を感じられる塩製品を求める消費者がこの3年で増加した。

今後の課題については、前述したように価格改定による需要変化が最も懸念されるが、商環境の変化をものともせず販売増加が続くジェーン「クレイジーソルト」や、発売後問い合わせが殺到したマルニの小袋製品「燻製塩」のように、エッジの効いた商品開発も必要か。シーズニングに関しては「汎用シーズニングが動くのはBBQなどの機会が多い春夏のみ。秋冬シーズンは動かない」(小売業)模様だが、塩メーカーも新たな商品開発を進めていく必要があるだろう。

家庭用塩の市場規模と種類別シェア

家庭用塩の市場規模と種類別シェア

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点