加工食品油脂日本植物油協会・久野会長 ...
エコプロ2026

日本植物油協会・久野会長 安定供給の責務果たす 行政・関係国と連携強化

 日本植物油協会は5月20日開催の定時総会で、久野貴久・日清オイリオグループ社長を新会長に選任。久野氏は先月行われた油脂専門誌との会見で「国民生活、食品産業に欠かすことのできない植物油製品を高い品質を維持しながら、合理的な価格で安定的に供給する責務を果たしていく」と意気込みを語った。

 製油業界を取り巻く環境は厳しさを増している。旺盛な食料需要に加え、バイオ燃料の需要拡大、中東情勢の緊迫化による原油高を背景にオイルバリューが急騰。為替の円安傾向や物流費や燃料費などインフラコストの上昇が油脂コストを押し上げており、製油メーカー各社は価格改定の浸透を急いでいる。

 久野会長は「内外の情勢が目まぐるしく変化するなか、会員各社の事業活動全般をサポートする協会の基本的な役割を踏まえ、協会活動に取り組んでいきたい」と表明。中東情勢の緊迫化による包装資材等の影響については、協会の産業部会を中心に情報を集約し、農水省や関連団体と緊密に連携し、供給の安定化に努めていくとした。

 2024年に食料・農業・農村基本法が四半世紀ぶりに改正され、25年4月に閣議決定された新たな基本計画では「油脂類」が明確に位置付けられ、同年4月から施行された食料供給困難事態法においても、植物油は重要な特定食料に指定されるなど、製油業界の果たす役割は増している。

 こうした中、食料安全保障の確保に向けて、不測の事態が発生してからではなく、官民が連携して平時から情報を共有することの重要性を強調。調達サイドにおけるバイオ燃料需要の増大や、世界的な貿易体制の不透明感、スコープ3などのサステナビリティ課題など、「一企業の努力だけでは対処困難な課題もあり、主要生産国とのパートナー関係の維持強化も図っていく」とした。

 そのうえで、協会として植物油のコスト構造やその価値を広く社会に伝えるための啓発活動や物流課題への対応など、持続可能なサプライチェーン構築に向けた取り組みを推進していく方針を示した。

関連記事

インタビュー特集