日清オイリオグループの久野貴久社長は5月19日に開いた決算説明会で、国内油脂・油糧事業について、価格改定の完遂による利益回復を急ぐとともに、「不確実な事業環境を前提として資本効率性(ROIC)を追求した収益構造への転換を進める」方針を示した。
同社の25年度連結業績は売上高5542億円(前年比4.4%増)、営業利益170億円(11.7%減)、経常利益160億円(11.4%減)。成長領域と位置付けるグローバル油脂・加工油脂事業、ファインケミカル事業は堅調だったものの、油脂・油糧事業は油脂コスト上昇に価格改定が追い付かず、ホームユースの販売数量減少もあり、営業利益ベースで20億円の減益となった。
原料高騰による前期の油脂・油糧事業のコスト影響額は約45億円。大豆・菜種の原料代に加え、バイオ燃料需要の増加によるオイルバリュ高騰を受けてミールバリューが低下。物流費等の上昇も響いた。
油脂・油糧事業の今期のコスト影響額は100億円程度を見込んでおり、油脂の販売数量増加と価格改定の浸透による粗利単価向上により、前期比10億円の増益を目指す。なお、ホルムズ海峡封鎖によるエネルギー・資材費の影響額として、上半期だけで約20~30億円の上昇を見込んでいる。
久野社長は、国内の油脂事業を取り巻く環境について、世界的な人口増加とエネルギー政策の影響に加え、サプライチェーン全体のコスト上昇により「植物油は急激なコスト高騰の連鎖に直面している」と指摘。足元では、価格改定の完遂を急ぐとともに、不確実な事業環境が常態化するなかで、「事業構造の抜本的変革が必要」とし、投下資本の最適化と資本収益性(ROIC)を軸とした変革を推進する方針を示した。
国内油脂の重点施策では、コスト上昇と節約志向が強まるなか、「足元の課題を強く意識した販売戦略を展開し、着実に利益水準の回復と資本収益性の向上を実現する」とした。
ホームユースでは価格改定の浸透に加え、こめ油や健康オイルなど付加価値製品の拡販、オリーブオイルの需要回復により、売上・粗利益ともに伸長を目指す。収益性の低い商品の整理・統合も進める。
業務用では価格改定の完遂とともに、顧客起点のソリューション提案による安定した販売数量の確保、炊飯油など収益性の高いマーケティング・機能型商品の拡販に努める方針を示した。



