国分グループ本社 初の大学設立支援 飛騨市の「共創」理念に共感

国分グループ本社は6月19日、初めて大学の設立支援に乗り出したことを発表した。26年4月に開校予定の岐阜県飛騨市の四年制私立大学「Co-Innovation University(仮称)」(以下、CoIU)の設立を目的に企業版ふるさと納税制度を活用して飛騨市に寄付したほか、食のマーケティングカンパニーとして大学設立後も地域の企業と学生をつなげるため協力していく考え。

国分グループでは、「従来の取引・取り組みの枠を超えて連携することで共創圏を構築し、新しい食の価値を創出し続ける取り組みを推進」を長期経営計画で掲げ、地域商品の発掘などに取り組んできた。一方、飛騨市では市内初の大学設立に向けて23年12月、「共創を軸にした地域の未来づくりプロジェクト」を始動。中部エリアで活動する国分中部が「共創」を掲げる飛騨市の理念に共感し、国分グループ本社に掛け合ったことで支援が実現した。

「CoIU」は、共創学部・地域共創学科で定員120人を予定する。1年生は飛騨市のキャンパスで講義を受け、2年生からは同市のほか、全国15か所サテライトキャンパスを拠点にオンライン講義を受けながら、各地域の企業や自治体などと連携し地域の活性化や課題解決などについて実践的に学ぶことができる。

6月19日に名古屋東急ホテルで開催された感謝状贈呈式では、国分グループ本社の青山知夫経営企画部長、国分中部の福井稔社長、飛騨市の藤井弘史副市長、CoIU設立基金の井上博成代表理事が出席。藤井副市長から青山経営企画部長に感謝状が贈られた。

藤井副市長は「市で初めての四年制大学の設置は、市の活力、教育、経済で大きなインパクトがある。国分グループは2年ほど前にコロナ禍の影響を受けた観光産業の支援を目的に地酒と特産品のあゆを使用した缶詰のギフトセットを販売した実績があり、今回のご縁を契機として今後も引き続き協力をいただきたい」とあいさつ。

青山経営企画部長は「地域共創、イノベーションを起こしていきたいという理念が一致した。国分グループでは、エリアに眠る地域資源を国分グループの機能と掛け合わせることで地域をより魅力的にしていくことを積極的に行ってきた。大学の創設に向けてサポートをしながら共創の実現に邁進していく」と話し、福井社長は「今後、大学設立以降に学生が全国で活動を行うにあたり、このエリアを担う国分中部がグループの中心となって協力していきたい。また飛騨・高山地域の活性化にも力を入れて活動する」と話した。