京滋食品卸同業会 60年の歴史に幕 会員64社が14社に

京滋食品卸同業会は5月15日、定時総会を開催。同日付で会の解散を決めた。

藤澤康雄会長(藤澤会長)は「私が当会に加盟した30年前は正会員が64社だったが、現在は14社にまで減った」と会員の減少を解散理由に挙げた。

さらに賛助会員にも触れ「京滋地区に支店を置く賛助会員も多かったが、今はほとんどが大阪の支社や本社からで、地元から参加される企業は10社もない。これ以上、この会を続けるのは無理があると考え解散を決めた」と述べた。

歴史を語る高木誠治氏(丸正高木商店) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
歴史を語る高木氏

続いて丸正高木商店の高木誠治会長が登壇し、同業会の歴史を振り返った。高木氏によると会が発足したのは約60年前。中央市場にあった海苔、缶詰、乾物、食品、酒類などの専門卸が集まり京都食品卸組合を設立。

冒頭、藤澤会長が述べた通り、30年前に加盟企業の範囲を京都府下と滋賀県に拡大し現在の名称となった。

高木氏は「現在、会員は14社だが地元企業は数社(6社)しかない。最盛期には京都市内に菓子専門の小売店が3千店あったが、今はほぼゼロになった。それに合わせ、50社あった菓子問屋もほとんどなくなった。食品も同様に小売店がなくなり、地域卸は衰退した」と説明。「会は解散するが、地域に密着していれば活躍する場はまだたくさんある。今後も頑張るので、引き続き協力をお願いしたい」と力を込めた。