シマダヤ「健美麺」常温で販路拡大へ 猛暑追い風に「流水麺」堅調 秋冬商品

シマダヤは、23年秋冬シーズンに向け、開発のキーワードに健康・簡便・高品質などの頭文字をとった「7K」を掲げ、家庭用チルド麺は常温保存できる健康軸の「買いおき便利『健美麺』食塩ゼロ本うどん 3食」などを発売する。発表会の席上、岡田賢二社長は「健康寿命延伸、国産原料使用、環境配慮などをテーマに開発を進めた。麺のパイオニアとして、付加価値ある商品やサービスの提供を通じ、経営コンセプトである『おいしい笑顔をお届けします』を追求していく」などと語った。

業績の進捗について、岡田社長は「前3月期は価格改定の効果もあり8.9%増収となったが、コスト上昇を吸収しきれず0.4%減益。カテゴリー別の販売実績は、家庭用チルド麺が約2%増、同冷凍麺が約3割増、業務用冷凍麺が約2割増。23年度第1四半期は2年連続の価格改定がおおむね浸透し順調な推移」と説明した。また、直近の気温上昇が「流水麺」や「『もみ打ち』生冷し中華」など涼味製品の追い風になっているとし、「猛暑の中でも安定供給できている。商品では国産そば粉100%に切り替えた『流水麺 そば』の手応えが大きい」とした。

岡田賢二社長(シマダヤ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
岡田賢二社長(シマダヤ)

秋冬向け商品は曽根田直基取締役企画部長が説明。「引き続き『7K(=健康・簡便・高品質・買いおき・経済性・国産・環境)』を開発コンセプトに、ブランド商品の価値向上、新たなコンセプト提案による市場の創造・活性化に取り組む」。

家庭用チルド麺では、和風カテゴリーで「健美麺」と「真打」の2ブランドによる新たな市場創造を目指す。

「買いおき便利『健美麺』食塩ゼロ本うどん 3食」は、国産小麦100%で本来のおいしさはそのままに、常温保存で賞味期間100日を実現した。既存の「健美麺」ブランドはセミLL麺で展開してきたが、健康志向を背景に指名買いが多く、買いおき需要にも応えていく。また、曽根田取締役は「新たな売場やチャネルの開拓につなげたい」との考えを強調。「スーパーには従来の冷蔵ケース以外での販売を推奨している。ドラッグストアなどへの配荷も進めたい。今回はカットタイプの段ボールを採用し、箱に入れたまま販売できるようにしたこともポイント」。

「『真打』にゅう麺 1食」は、若手社員による開発プロジェクトで誕生。幅広い世代が食べやすいように、なめらかでやさしい食感のゆでそうめんを目指した。汎用性が高く、温かいつゆはもちろん、炒めてチャンプルーでもおいしく食べられる。

「時計台」らーめん 白湯しお味 2食(シマダヤ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「時計台」らーめん 白湯しお味 2食(シマダヤ)

中華麺のラインアップも拡充。「『時計台』らーめん」シリーズは、若い世代に支持されるフレーバーとして「白湯しお味 2食」を発売する。既存品はパッケージデザインを一新。2年目を迎える「魅惑の辛麺」シリーズは、「シビ辛味噌拉麺 2食」を主力に展開。今秋の新商品「スパイス拉麺 2食」は香り高い9種類の香辛料を使ったスープが特長。チルド麺で手薄な夕食需要を開拓すべく、「野菜と煮込む中華そば」シリーズを立ち上げ、「しょうゆ味 2食」「みそ味 同」を投入。冷蔵庫にある野菜や肉と、ゆでこぼし不要の専用麺を煮込んで仕上げる。

家庭用冷凍麺では、和風具付き麺「冷凍 ちゃんぽんうどん」を開発。国産小麦粉100%の麺に、ちゃんぽんスープをあわせた。具材はキャベツ、人参、かまぼこ、豚肉など。

業務用冷凍麺は「真打」ブランドの2品を国産小麦粉100%使用の麺にリニューアル。「稲庭風細うどん」はなめらかなのどごしが楽しめ、「ちゃんぽんめん」はもっちりなめらかな食感に仕上げた。

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