義津屋 個店営業力高め地域で存在感 総合プロセスセンター来年開設へ

愛知県西部を中心に総合SC「ヨシヅヤ」や食品SM「Yストア」を手掛ける義津屋は5月10日、名古屋マリオットアソシアホテルで「2023年ヨシヅヤグループ お取引先会・専門店親睦会」を開催し、今後の事業方針について説明した。年間1店ペースで新規出店を行うほか、改装による売場の適正化、品揃えの見直しで個店営業力を強化。ローコストオペレーションや業務の効率化も推し進め、24年には総合プロセスセンターの開設も予定する。ネットスーパーや移動スーパーも展開を拡大。地域生活者を支え、より地域に愛される店作りを目指す。

店舗展開面では22年5月に「西春店」、23年4月に「笠松店」を新規オープンしたほか、「師勝店」「津島本店」「豊山テラス」「太平通り店」などの改装をこの1年で実施。部門の壁を超えた売場作りや集中レジ化、売場面積の適正化、住関連のライトホームセンター化、自動発注の強化、売れ筋の追求や非稼働商品の排除などに取り組んできた。

生産性向上の取り組みでは、動画マニュアルe-トレの導入や、日配カテゴリーでAIによる需要予測型自動発注の全店導入などを進めた。

「ありがとうネットスーパー」は「犬山店」(22年7月)、「西春店」(23年2月)で開始し7店舗に拡大。移動スーパー「とくし丸」は、津島市、海津市などで新たにサービスをスタート。7市町村・11台体制とした。

今後も居抜きを含め年間で新店1店、既存店大型改装2店のペースで取り組む。直近ではこの6月に「新稲沢店」、7月に「可児店」の改装を控えるが、大型改装は今秋と来年初頭となる見込み。需要が伸びている惣菜、冷凍食品、健康食品コーナーの拡大のほか、節電対応も進めていく。

「ありがとうネットスーパー」は、「可児店」「笠松店」など5店で新たにスタートし12店舗まで拡大する計画。「とくし丸」は、継続的に事業パートナーの募集を行っていく。

一方、ローコストオペレーションの取り組みでは、今年7月にフルセルフレジを導入。24年度には生鮮部門にも自動発注システムを水平展開する。

また、総合プロセスセンターを24年度開設に向け準備中とのこと。青果・鮮魚・精肉・惣菜の4部門を対象に、

①商品力の向上
②歩留まり率のアップによる食品ロスの削減
③センター加工商品供給による店舗作業の軽減
④物流効率化などによる24年以降の物流問題への対応

などを図る。

「お取引先会・専門店親睦会」は三部構成で、第一部では福岡ソフトバンクホークス前監督の工藤公康氏が「勝ち続けるための信念と覚悟」~未来を見る・創る・拓くために~と題し講演。第二部で、伊藤彰浩社長はじめ同社部門責任者から事業方針説明が行われた。

冒頭あいさつに立った伊藤社長は、「これからも不透明・不確実な時代が続くと思うが、ここにお集りの皆さまと異体同心、よく集まりよく話し合って、勝ち残っていきたい」と呼びかけた。

当日は、取引先など関係者535人(衣料品71人、住関連102人、食品199人、内務85人、専門店78人)が参集。第三部の懇親会も大いに賑わった。