逆光線(コラム)適正利益あってこそ
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適正利益あってこそ

奈良県桜井市には、海拓榴市(つばいち)と呼ばれる日本最古の市があった。旧暦1月6日(2月5日)には初市が盛大に行われた。江戸時代には、全国から商人が訪れて物の相場を決め、神前に報告しつつ、商売繁盛を祈った。その伝統は昭和の戦争まで続いたという。

▼世の中が変わりこれを引き継ぐのは、地域の名産品である「三輪そうめん」のみになった。毎年2月5日には、三輪明神・大神神社にて、そうめんの初売り価格を占う「卜定(ぼくじょう)の儀」が執り行われる。地域の生産者や販売業者が集まり、「高値」「中値」「安値」から神託をうかがう。今年は「安値」になった。

▼原料および資材関係が高騰し続けるなかの安値託宣に、関係者からため息が漏れた。商品を1円でも高く売りたいのは、そうめんに限らず生産者共通の願いだ。ましてや人の手によってていねいに作られる手延べそうめんは、ほかの業界以上に人件費がかかり、コスト高は深刻だ。後継者を育てるためにも「儲かる仕事」でありたい。

▼食品業界では、この春も値上げ旋風が続く。時代を経て、相場を決める方法は変わっても、適正利益は本来の正しい商売であることに昔も今も違わないはずだ。

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