冷凍食品自販機「ど冷えもん」 1年半余りで5千台突破 JR阿佐ヶ谷駅近くの高架下に堂々10台!〈上〉

サンデン・リテールシステムの冷凍自動販売機「ど冷えもん」の快進撃が止まらない。2021年1月末に販売を開始して以降、想定を上回るペースで受注が進み、このほど10月末で5千台を突破した。設置先の状況を見ると、最近は複数のグルメ自販機を並べるモール型が増加。スーパーやコンビニでは売っていない有名飲食店や産地直送などの冷凍食品が売れ筋になっている。直近では大手食品メーカーも専用商品を検討中。新たなビジネスチャンスとして注目度が高まっている。

夢のような近未来のレストラン――。10月に東京・杉並区にオープンした“次世代型自販機モール”の「GORIO MALL(ゴリオモール)」は、そう表現しても過言ではないだろう。JR阿佐ヶ谷駅から高架下を歩いて約5分、「リストランテ アルポルト」のスイーツやパスタ、店舗同様の生スープを凍結した「一風堂」の豚骨ラーメン、仙台直送「牛たん伝説 和顔」の厚切り牛たん、「宇都宮餃子館」でおなじみの看板商品「健太餃子」、国際線でしか食べられない世界各国の機内食など、合計10台もの冷凍自販機が圧倒的なラインアップで24時間休まず営業している。

企画・プロデュースしたのは「ど冷えもん」の販売代理店であり、都内に1号機を設置したことでも知られ、冷凍自販機を活用した新たなマーケット開拓とインフラ整備を目指す【FROZEN24】を運営するSOBO(ソボ)。現在は実に約400台を展開する。

益川大平社長によると、新規事業を始めたきっかけはコロナ禍初期(20年4~5月頃)の体験という。「緊急事態宣言で主力の飲食事業が窮地に追い込まれた一方、自社工場で直売する餃子の売上は大きく伸び、お客様からは(直売所の閉店時間だった)午後5時以降も売ってほしいとの声をいただいた。飲食店以外の販売にチャンスがあると実感した」。その後、益川社長の積極的な行動がサンデン・リテールシステムとの縁を生み、現在の強いパートナーシップに至っている。

今年7月、JR大森駅前にあった自社の飲食店舗を業態転換し、「FROZEN24マート」として冷凍自販機6台を設置した。前出の「GORIO MALL」はそれを上回り、同社として過去最大級の取り組みとなる。今回の立地について、益川社長は「駅から少し離れているので飲食店には不向きかもしれないが、閑静な住宅街に囲まれており、自販機なら仕事帰りや近隣住民の需要が見込める。ここを成功モデルにして他の候補地に展開する弾みをつけたい」と期待を込める。

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