流通・飲食小売成城石井が創業の地で路面店強化ののろし コロナ禍で増加する家庭料理需要に商機 こだわりの生鮮3品を拡充

成城石井が創業の地で路面店強化ののろし コロナ禍で増加する家庭料理需要に商機 こだわりの生鮮3品を拡充

 成城石井は、コロナ禍で増加する家庭料理需要に商機を見出し、創業の地である東京・成城の「成城店」で路面店強化ののろしを上げた。

 成城店を全面リニューアルして、11月14日に新しい旗艦店としてオープンする。

 リニューアルオープンに先立ち13日、成城石井 成城店 プレスプレビューに臨んだ成城石井の五十嵐隆執行役員コーポレートコミュニケーション室室長は「コロナによってお客様が自ら料理されるようになり、路面店の売上が拡大している」と語る。

 売上拡大の牽引役は生鮮3品(青果・精肉・鮮魚)。今後はこの分野を一層強化していく。

全面リニューアルした「成城店」外観
全面リニューアルした「成城店」外観

 「生鮮の買われ方が変わってきており、生鮮の品揃えに対する要求も変わってきていることから、生鮮の品揃え強化に1つの道筋が見えてきた。店舗の経営の在り方を抜本的に見直すくらいの気持ちで生鮮に力を入れていく」と意欲をのぞかせる。

 生鮮3品の商品数は従来どおり約500品目としつつも、この中に占めるプレミアム商品の比率を1割程度に引き上げた。

 「世界中からいいものを持ってくる」との考えのもと、バイヤーが成城店だけのために旬で高品質な生鮮食材を買い付ける。売場には、その日に仕入れた旬の生鮮食材や、贈り物や特別な日にも好適な「静岡県産クラウンマスクメロン」などの逸品も用意。三大和牛の松坂牛、近江牛、神戸牛といったブランド黒毛和牛も取り揃える。

三大和牛の売場
三大和牛の売場

 生鮮3品調達強化のスケールメリットを活かして店内製造商品も拡充する。

 「成城石井ならではの店内製造商品をてこ入れしていく。店頭に並ぶ生鮮を使ってワンランク上のお弁当やお惣菜を提供していく」と語る。

 今年4月に大阪・京橋で開業し好評を博しているベーカリー専門店「成城石井BAKERY」の売れ筋パンも取り揃える。

 今回の成城店の全面リニューアルは、2027年の創業100周年を見据えた動きとなる。

 「成城石井が今でみる全てをここに集めて、そこから発展させた新しいチャレンジをすることで成城石井のお客様に恩返ししたい。テーマは原点回帰ではなく、温故知新。原点の惣菜も、新しい素材、新しい技術を取り入れ感謝を込めてお客様にお届けしていきたい」との思いが込められている。

ベーカリー専門店「成城石井BAKERY」の売れ筋パンも取り揃える
ベーカリー専門店「成城石井BAKERY」の売れ筋パンも取り揃える

 なお近年は駅ナカ店舗が好調に推移。現在、駅ナカ店舗は200店舗強へと拡大し、成城石井全体の売上の7割を占めるまでに成長している。

 一方、路面店は、駅ナカの売れ筋商品やセントラルキッチンでつくられた商品の比率を増やすなど“駅ナカ化”したことが裏目に出て減少傾向にあったが、コロナ禍で一転。生活者の購買行動が変化したことで復調傾向にある。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。