ニチレイロジグループ 24年問題対応に道筋 東西拠点活用し効率化

ニチレイロジグループ本社は、このほど「2022年度事業報告会」を都内で開催した。梅澤一彦社長は、トラックドライバーの残業時間を規制する「2024年問題」に関して、「すでに物流サービスを提供している取引先向けには今年度中に法律に基づいた形で運べる道筋ができている」などと話した。

前3月期の業績は売上高2千442億円(前年比9%増)、営業利益151億円(4%増)と増収増益。うち、海外事業が売上高637億円(39%増)、営業利益24億円(16%増)で牽引した。欧州での買収効果が寄与。物流ネットワークは売上高1千46億円(2%増)と前年クリアするも、コスト高で営業利益は54億円(2%減)にとどまった。地域保管事業は売上高725億円(1%増)、営業利益81億円(2%増)と堅調。

23年度も広域幹線輸送における基盤強化を推進。前期は厚木ゲートウェイ(GW)を稼働させ、

①西向き貨物一元化で総運行時間の削減
②パレタイズ化で乗務員作業時間の削減

――を実現し、東海拠点に折り返しの日帰り運行を可能とした。今期は関西GWの稼働により、東向き配送でも同様の効果を創出する。また次世代輸配送スキーム「SULS(サルス)」を拡充。荷台部分が切り離し可能な自社トレーラーを19台から34台に増やし、運行エリアを広げる。

一方、24年1月にグループ会社のキョクレイに神戸六甲物流センターが稼働予定。設備能力は2万4千100t。同社は果汁・乳製品の取り扱いに強みを持つが、通関・流通加工機能を有する高付加価値ワンストップサービスを西日本エリアにも展開し、東日本エリアの大黒物流センターとの連携強化も図る。

海外事業も引き続き注力。欧州ではポーランドのワルシャワ地区に倉庫を新設して拠点を集約(24年下期)、現地の旺盛な保管・運送ニーズのさらなる獲得を目指す。新規進出先のベトナムでは、合弁会社を通じてホーチミン地区に冷蔵倉庫を新設(24年度中)。経済発展が期待される同国の低温物流市場を開拓し、将来的には既存事業のタイ、マレーシアとの連携も検討する。

24年3月期の業績は売上高2千550億円、営業利益153億円を見込む。