越後製菓は今年、創業80周年の節目を迎え、次の創業100周年に向けてコメの力を最大限に発揮した商品開発に取り組む。
コメを取り巻く環境は変化が激しく、主原料とする国産100%のもち米とうるち米のうち、特にうるち米は令和の米騒動から一転して大幅に下落している。
8月25日、発表会に臨んだ星野一郎会長は「この1年半の激動はまさに100年に1度の大激動のまだまだ最中にある。(うるち米は)コスト(60キロ当たりの生産コスト指標)が2万500円なのに1万円台で買い受けるという状況が現出している。これだけ下がってしまうと(生産を)諦めてしまう農家の方々がだいぶ出てきてしまう」と危機感を募らせる。
コスト環境についても「(コメ下落も)われわれの商売は令和7年産で始まる」と気を引き締める。
コメ価格の乱高下が国産米に頼るところが大きい米菓メーカーの経営を圧迫する中、同社はコスト変動に応じた価格改定を行うとともに、商品ラインアップを集約し商品に磨きをかける。「他社にはない商品で売れるものを作るという命題の中でやっている」と胸を張る。
米菓は当面、「ふんわり名人」と「新潟の星」の2つのブランドを柱と位置付け、海外展開も推進していく。
「ふんわり名人」では、旗艦アイテムの「きなこ餅」に続く第2の柱商品を育成すべく、チーズフレーバーに着目して開発を進めている。
現行の「ふんわり名人 北海道チーズもち」は北海道のチーズを使用。今後は「チェダーチーズだけでなく、パルメザンチーズを加味しようと計画している。パルメザンチーズは『味の追求』の『ふんわりチーズもち』に採用している」と語る。
「新潟の星」は、生地の改良を進めている。「『新潟の星』を『ふんわり名人』に肉薄するくらいのボリュームにすべく、食感に関してもう少し踏み込んだ対策を施しほぼ完了した。生地がしっかりしてくると味付けの幅・バリエーションが広がる」と力を込める。
海外は北米市場の開拓に注力。北米販売網の主流となる外資小売企業への提案を強めている。現在、大手小売企業へ「ふんわり名人」の「きなこ餅」と「ごまだれ餅」を提案しているほか、オーガニックスーパーマーケットチェーンの留型商品に採用された。
秋冬に向けては全社・カテゴリ横断で80周年記念事業を展開し、主力商品には80周年ロゴを掲載している。
80周年ロゴについて、吉原忠彦社長は「『80』のデザインの『8』から伸びる波のマークには、絶えず動き続けることを表し、変化しながら継続していく力を意味する。加えて、新潟の豊かな自然の象徴である海や川を想像させて、有機的な曲線が自然との調和を表し、地域とともに歩み続ける姿勢と未来に向けてしなやかに進化する力強さも表現している」と説明する。

80周年ロゴは、約400人の正社員に実施したアンケートを加味して考案された。80周年ロゴに加えて、新スローガン「おいしいに自由を。まいにちに笑顔を。」と新ステイトメントも策定。
新スローガンの「おいしいに自由を。」には「当社の場合、お米の力を最大限に発揮した商品を届ける」との思いが込められている。
今後については、吉原社長は「社員との対話を通じて『10年後にどんな越後製菓になりたいか』を拾い上げ、10年後のビジョンを策定しながら進めている。私としては、やはり基点は商品にあり新商品も作っていく。今まで会長中心に商品開発が進んでいる中で、新しいプロジェクトを立ち上げ、社員自らが商品を設計していくことも少しずつやりながら、20年後には新しい越後製菓になってほしい」との考えを明らかにする。
