朝倉海苔店(東京都大田区)はこのほど、最高品質の国内原料を使った新商品「幻の海」を開発した。「焼のり」「味のり」の2種類で、各8切5枚×5袋入、税込6800円。開発に2年を要し、美術家によるアートと書家の題字をあしらった木箱に収め、従来の海苔製品のイメージを刷新するものを作り上げた。
高級海苔といえば有明海産のイメージが強いが、「幻の海」では原料産地を限定しない。朝倉基好取締役海外営業部長は、「品質だけを基準に朝倉海苔店として原料を見極めた。“本当においしい海苔を食べたい”と思ったときに選んでもらえる商品を作った」と話す。品質のキーワードは「5万枚分の1枚」。
2025海苔年度の全国共販枚数は54億枚強だったが、そのうち「幻の海」に値する原料はおよそ10万枚に限られるという。「あえていえば5万枚に1枚だけが『幻の海』の原料たりうる」(朝倉取締役)というわけだ。
「焼のり」「味のり」それぞれに適した原料を選定し、「焼のり」は一枚一枚、従来品よりもていねいに仕上げる。

「味のり」は新たに開発した味付けたれを用いるが、味付け加工ののち、2か月ほど熟成させる。「たれの味が凝縮されて海苔にしっかりと味が入る。その味に負けない海苔を選んだ」と朝倉氏は自信をのぞかせる。
「幻の海」という名前には、海から与えられる日本の特別な品物である、との思いを込めた。
山に降る雨が川になり海に流れ、海苔が育つ――その循環を大切にするため、山の保全に役立つ杉の間伐材を用いた木箱に収める。
商品題字を書家の城田翠香氏が手掛け、現代美術家の小野純一氏が海の豊かさと循環を表現したアートを描いた。商品には、イメージアートのステッカーも封入している。

6月下旬の「日本の食品 輸出EXPO」で初披露し、今月上旬には「幻の海」を全面的にアピールする内容に自社サイトを更新した。
発売予定は9月。ネット直販が中心だが、ポップアップストアでの販売も想定する。
販売先には海外も視野に入れている。インドネシアやタイ、フランスなどの展示会にも積極的に出展し、「幻の海」をアピールする予定だ。
朝倉取締役は「海外市場は中・韓が席巻している。日本の海苔の本当のおいしさを世界に伝えたい」と意欲を語った。
