日本食を代表する存在として国内外で高い人気を誇る寿司。その名脇役であるガリもまた、寿司市場の拡大とともに需要を広げてきた。
しかし近年は、原材料や物流、人件費の上昇に加え、寿司業界における大手チェーンへの集約や個人店の減少など、市場環境が大きく変化している。こうしたなか生姜加工メーカー各社は、品質向上や高付加価値化に取り組む一方、生姜加工技術を生かした用途拡大や新たな需要開拓を進めている。
ガリの主要販路である寿司業界では、大手回転寿司チェーンやインバウンド需要を取り込む高価格帯店が堅調に推移する一方、個人経営のカウンター鮨店は価格転嫁の難しさや後継者不足などの課題を抱えている。こうしたなか、市場では大手・有力店への集約が進んでいる。
特に近年は燃料価格の高騰を背景に漁船の出漁が減少。魚介類の供給不足が顕著になっており、チェーン店、個人店問わず旬の魚の安定調達が難しくなっている。海苔や米などの主要食材も高止まり傾向で、寿司店の収益を圧迫している。寿司店に魚介類や副資材を納めている卸売業者でも、販売先の縮小や取引数量の減少が課題となっており、市場全体では縮小傾向がみられる。
ガリを取り巻く環境も厳しい。寿司業界ではコスト上昇への対応が課題となるなか、ガリについても価格重視の傾向が強まっている。メーカー各社は値上げ交渉に取り組んでいるものの、他社品への切り替えを示唆されるケースもあるという。
海外市場では中国メーカーの低価格品が広く流通しており、日本製品との価格差は4倍程度に及ぶケースもある。価格競争力では太刀打ちしにくく、海外市場の拡大には限界もみられる。
このため生姜加工メーカー各社は国内市場の深耕を進めている。生姜のカットや乾燥、調味などの加工技術を応用し、寿司向けガリに加えて紅生姜や惣菜、調味素材、製パン・製菓分野などへの用途拡大に取り組んでいる。こうした取り組みはまだ発展途上ながら、新たな採用や販路拡大につながる事例も出始めており、生姜加工技術を生かした用途開発が新たな成長分野として注目されている。

