加工食品漬物梅、産地存続へ危機感共有 ...
エコプロ2026

梅、産地存続へ危機感共有 「梅議連」でみなべ町長ら ミツバチ不足・害虫対策を推進へ

梅振興議員連盟(会長=森山裕衆議院議員)はこのほど、第30回総会を参議院議員会館(東京・千代田区)で開き、和歌山を中心とした梅産地が直面する気候変動、後継者不足、ミツバチ不足、外来害虫被害などの課題を共有した。

森山会長は「梅は日本の食文化を支える重要な農産物」とし、生産振興と消費拡大に一丸となって取り組む必要性を強調。受粉に不可欠なミツバチ不足について、「梅は早春の重要な蜜源で、ミツバチの生育基盤であることを忘れてはならない」と述べた。

農林水産省は、令和7年産は和歌山県で開花期の天候不良や交配昆虫の活動低下により収穫量が平年の約8割となり、4度の降雹で落果や果実の傷など深刻な被害が発生したと報告。令和8年産も降水量不足や高温による不完全花の増加などから、生産量は平年の5割程度にとどまる見込みとした。

梅の卸価格や梅干価格は高止まりが続く一方、輸出は梅酒を中心に過去最高を更新。花粉交配用ミツバチは供給する養蜂家が十分に増えておらず、農水省は都道府県間の需給調整やダニ対策、蜜源植物の拡大を進めるとした。

産地報告では、和歌山県みなべ町の山本秀平町長が3年連続の凶作と雹害の現状を説明。「昨年は県全体で約47億円、みなべ町だけでも約24億円の雹被害が発生した。今年も過去最悪級の凶作で、加工業者も原料不足に直面している」と訴え、ミツバチの箱数も例年より4割減となり、受粉環境の確保が喫緊の課題とした。

また、梅生産量第2位の群馬県は、令和8年産は一定の収穫量を確保し価格も堅調と報告。一方で、担い手不足や高齢化を課題に挙げ、行政と連携した担い手確保や、県育成新品種「ゆみまる」の普及、施設更新、獣害対策を進める考えを示した。

このほか、埼玉県越生町はクビアカツヤカミキリ対策、東京都青梅市はウメ輪紋ウイルスからの復興、神奈川県小田原市は「十郎梅」のブランド化、福井県若狭町は新規就農者育成や梅ツーリズムを紹介した。

全日本漬物協同組合連合会は、和歌山産梅の原料不足と価格高騰により今年も値上げが避けられない状況を報告。スーパーのPOSデータでは販売が前年同月比約1割減となり、節約志向や外国産商品の増加で紀州産梅干は厳しい販売環境にあるとした。

議員からはクビアカツヤカミキリ対策や改植支援の拡充を求める声が上がり、農水省は未収益期間支援の見直しや関係省庁と連携した防除を進める考えを示した。

最後に令和8年度の要望決議を採択し、国に対して気候変動対策や特定外来種対策、梅の消費拡大、輸出促進などを求めた。

関連記事

インタビュー特集