FK-23研究会(南山幸子会長=京都府立大学大学院生命環境科学研究科教授)は20日、都内の如水会館で第二回研究会を開催、関係者約90名が出席した。
同研究会は、ニチニチ製薬(三重県伊賀市、北村良一社長)が開発した殺菌乳酸素材・FK-23の由来成分の作用に関する研究発表の場として昨年発足したもの。同社の「FK-23」「LFK」は、青汁、パン、グミなど健康食品、一般食品で幅広く副素材として採用されている。
竹村茂一・大阪公立大学院医学技術科特認教授が今回の大会長を務め、教育講座、特別講演、一般演題など5つのテーマで講演と発表が行われた。
竹村大会長は冒頭、「腸内環境改善や免疫調節機能など乳酸菌は様々な働きがある。中でもFK-23株は死菌だけでなく酵素処理した菌体成分でも様々な効果があり注目されている」とし「研究活動の使命は科学的成果を社会に還元し生活に役立てていただくことだ」と挨拶した。
続いて研究会に入り「乳酸菌生菌・死菌の投与が魚類の生理機能に及ぼす影響」(角田出・石巻専修大学理工学部 生物化学科名誉教授)、「腸と免疫の深い関係 あなたの体を守る見えない力」(藤田隆司・立命館大学薬学部薬学科教授)が講演。
特別講演では「LFKの腫瘍細胞増殖抑制効果と肺転移抑制効果について」をテーマに日下部守昭・東京大学大学院 脳学生命科学研究所 付属職の安全研究センター特認教授が研究成果を発表し「メカニズムを解明し今後のがん治療の新たな選択肢になるよう繋げたい」と述べた。
一般演題では「パフォーマンスにおける乳酸菌FK-23の運動機能および抗酸化能に与える影響」「アデニン誘発性慢性腎臓病モデルラットにおけるLFKの改善効果の検証」をテーマに議論が行われ、市川寛・同志社大学大学院 生命医科学研究所所長の挨拶で閉会した。なお第三回研究会は来年開催を予定している。