4.8 C
Tokyo
1.9 C
Osaka
2025 / 12 / 07 日曜日
ログイン
English
その他介護食介護者の負担を軽減 キユーピー「やさしい献立」から7品

介護者の負担を軽減 キユーピー「やさしい献立」から7品

キユーピーは9月4日、市販用介護食「やさしい献立」シリーズのユニバーサルデザインフードの区分“かまなくてよい”から和食と洋食の計7品を発売した。

同区分の商品はペースト状やゼリー状など、そのまま飲み込める性状になっている。近年、増加するビジネスケアラーにとって調理時間や手間が短縮でき、介護の負担を軽減できると、利用拡大に期待がかかる。

新たに投入するのは「なめらかぶり大根」「なめらか牛すき焼き」「なめらか煮込みハンバーグ風」「なめらか海の幸のグラタン」「なめらか揚げだし茄子」「なめらかさつまいもと栗のきんとん」「なめらかほうれん草のポタージュ」(価格はいずれも216円税込み)。

かまなくてよい区分のやわらかさを手作りするには食事をミキサーにかけるなどの手間がかかり、適切な状態に仕上げることは容易ではない。仕事と介護に追われるビジネスケアラーからは、噛む力が著しく低下した人に対して手間を抜いた形で食事を提供したいというニーズが高まっていた。

「大好きだったあのメニューのおいしさが楽しめる」がシリーズのコンセプト。栄養バランスに配慮した機能的価値と「目先を変え、食べたい気持ちを取り戻す」といった情緒的価値も付与した。食べにくいメニューを食べやすくすると同時に、食経験が豊富な高齢者がおいしく安心して食べられる商品を目指し、育児食などで培ったノウハウも生かしている。プロのシェフに学んだ調理技術を駆使し、彩りや香り立ち、調理感、素材感にもこだわった。

「なめらかぶり大根」
「なめらかぶり大根」

「やさしい献立」ブランドの現状と今後についてマーケティング本部ウェルネス戦略部の木原光太朗部長は、介護食品やトクホ、機能性表示食品、サプリメントなどで構成される自社のウェルネス領域が拡大していることを紹介。「やさしい献立」の認知度向上と商品を磨くことでリピートにつなげると語った。

潤真奈美チームリーダーは段階的に進行する日本の高齢化の現状に触れるとともに、市販用介護食が被介護者本人の機能を引き出し、介護する家族の負担を減らす社会的ツールとなると強調。

鈴木英明氏は新商品の開発について、素材型とメニュー型の双方を価値訴求することで独自の展開を目指すという方向性を示した。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。