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流通・飲食伊藤忠食品・岡本社長 消費者起点のビジネス推進 6営業本部制で顧客対応強化

伊藤忠食品・岡本社長 消費者起点のビジネス推進 6営業本部制で顧客対応強化

伊藤忠食品の岡本均社長は、中期経営計画「Transform2025」最終年度となる今年度の方針について、「外部環境は不透明だが、食を中心とする領域での共有価値の創造と循環に注力し、その価値をさらに高め、消費者起点でのビジネス推進に取り組む」と語った。

同社の前期決算は売上高6993億円(4%増)、営業利益85億円(11%増)、経常利益112億円(22.4%増)、当期利益82億円(24.3%増)の増収増益を達成。売上高は当初目標の7000億円にはあと一歩だったが、量販・ドラッグストア向けの取引拡大と業務用の需要増加、RTD等の伸長により増収を確保。人件費や物流費の増加を吸収し、徹底した低重心経営で販管費を前年並みに抑え、6期連続の増益を達成した。

重点取り組みでは、サイネージの設置台数は24年度で1万台を突破。生鮮や惣菜の売場だけでなく、レジ前や店頭入口など設置場所の多様化が進み、多様なコンテンツによる販促提案が小売業・メーカー双方から評価されている。

商品開発面では「凍眠フルーツ」や「凍眠凍結酒」、ブランド監修の冷凍スイーツが好調。消費者の幅広いニーズを充足する低温商品の拡大が着実に進んできた。物流面では積載効率や荷待ち時間の削減に向けて業界全体で取り組みを推進。得意先と協働で検品レスに向けた納品伝票電子化の実証実験もスタートした。

25年度は売上高7200億円(2.9%増)、営業利益97億円(14%増)、経常利益114億円(1%増)、当期利益83億円(1.2%増)を計画。

今期の見通しについて岡本社長は「物価高による消費低迷、小売業の競争激化や再編、物流費増加など環境変化が予想されるが、伸長する業態へのアプローチや既存取引の拡大、基礎収益力の強化により着実に売上・利益を積み上げていく」ことが重要と強調した。

なお、4月1日付で営業統括部門内に「第一部門」「第二部門」「第三部門」を新設。6営業本部体制で、よりきめ細かな顧客対応を推進し、営業力強化と人材育成につなげる。

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