漬物製造のDX 導入のコツや成果紹介 全漬検が漬物技術研究セミナー 各社が研究発表も

全国漬物検査協会(全漬検)は2月28日、「第33回漬物技術研究セミナー」を江東区森下文化センターで開き、第32回研究発表者表彰、業界関係者らによる特別講演と研究発表が行われた。冒頭あいさつで宮尾茂雄会長は、「今回のセミナーを通して、漬物に対する理解を深めてもらい、従業者が消費者に伝えることで、徐々に漬物の魅力や健康力が広まるだろう」と述べた。

特別講演では、株式会社アキモの秋本薫社長による「漬物製造におけるDXの実際」、TOPPANデジタルの松本博シニアプロフェッショナルによる「製造業におけるDX化とデータ活用の課題と事例」が行われた。秋本社長は、職場環境改善をテーマにした自社の活用事例を挙げながら、導入のコツや成果を述べた。松本氏は、DX化・データ活用の導入ステップおよび同社の製造DX向けパッケージグループウェア「NAVINECT」をベースにしたカスタマイズ提供による事例を紹介した。

続く研究発表では

①「伝統の野菜食で子供たちに明日の食卓を」(新進・伊藤英明氏)
②「漬物のナトリウム・カリウム含量の実態とナトカリバランスについて」(東海漬物株式会社漬物機能研究所・宝田美月氏)
③「やまがたオリジナル乳酸菌を使用したザワークラフトの開発について」(山形県工業技術センター・長俊広氏)
④「栄養成分表示、常食量表示への取り組み事例」(遠藤食品・熊谷正幸氏)

が行われた。

①では、福神漬を始めとした漬物文化を子供たちに伝えていく取り組みを紹介。②は、「漬物=高塩分」のイメージを払拭すべく、市販の漬物におけるナトリウム量およびナトリウム排出作用を持つカリウム量の比率(ナトカリ比)を測定しその結果を発表した。③は、山形県産サクランボ由来乳酸菌を活用したザワークラフトの試作、乳酸菌の含有量など各種分析による評価を発表。④は、従業員に実施した「漬物のイメージ調査」の結果とともに、同社が行っている漬物の高塩分イメージを払拭する取り組みを紹介した。また、情報共有として、全漬連の真野康彦専務理事による外国人技能実習制度の育成就労制度移行についての説明も行われた。

株式会社アピ 植物性素材