バロー 惣菜でAI自動発注開始 ソフトバンク「サキミル」活用

バローホールディングス傘下のスーパーマーケット(運営はバロー)の惣菜部門の運営を担う中部フーズが、ソフトバンクが提供するAI(人工知能)需要予測サービス「サキミル」を活用した惣菜の自動発注を本格開始した。ソフトバンク、日本気象協会との取り組み。

中部フーズは、惣菜部門の運営を担うスーパーマーケット76店舗でAI自動発注を6月から開始。24年度中(予定)にバローが運営するスーパーマーケットのうち同社が惣菜部門の運営を担う全店舗(242店舗)への展開を進める。

今年1~5月に同社がスーパー31店舗と工場で行った事前検証では、店舗利益の約5%増加や発注作業時間の27%削減など、一定以上の効果を確認した。

取り組みの体制は、中部フーズが事前検証フィールドの提供、AI自動発注の導入主体、ソフトバンクは「サキミル」の提供、日本気象協会は「サキミル」の来店客数予測を活用した自動発注のAI予測モデルの構築、バローホールディングスはスーパーのPOSデータの提供。

AI自動発注では、店舗データに加えて、人流や気象データを活用したソフトバンクの需要予測サービス「サキミル」で予測した来店客数を基に、商品ごとの発注量を自動で提示するAI予測モデルを構築。惣菜を対象として、店舗と工場の両方におけるメリットを追求し、製造から販売までのプロセスでの利益最大化を指標とした。

その結果、商品の発注量が適正化されたことで、店舗では欠品率改善による売上の増加と値引きの削減や廃棄削減による利益の増加の両立を実現。またAIが自動で最適な発注量を提示するため、店舗や工場での発注作業や生産計画の策定にかかる時間が短縮され、業務効率化および業務負担の軽減につながった。