3.6 C
Tokyo
4.1 C
Osaka
2026 / 02 / 13 金曜日
ログイン
English
その他SDGsUCCが先駆けて取り組む水素焙煎コーヒーの可能性とは?

UCCが先駆けて取り組む水素焙煎コーヒーの可能性とは?

UCCグループは、持続可能なコーヒー産業のため、グループ全体でサステナビリティ活動を推進している。

その中でも異彩を放つ独自の活動が、水素を熱源とするコーヒー豆の焙煎だ。

レギュラーコーヒーの主力工場「UCC富士工場」の大型焙煎機に、水素を熱源とするバーナーを実装し、2025年4月の運転開始を予定している。

水素を熱源とする焙煎機の特徴としては、以下の3つが挙げられる。

▽CO2を排出しないコーヒー豆の焙煎
▽水素、化石燃料、水素と化石燃料の併用と3パターンの焙煎が可能
▽水素ならではの味覚表現の可能性

通常、コーヒー豆は化石燃料を燃やして発生した熱風を焙煎釜に送り込むことで加熱する。

水素を熱源とした焙煎では、水素を燃やして発生した熱風で焙煎する。

使用する水素は、官民・他業界の垣根を越えた連携とNEDOの採択を受けて開発されたP2Gシステムを使う。再生エネルギーをベースとした電気で水の電気分解を行ってつくられるため、実質的にCO2フリーの熱源となる。

焙煎機に使われるバーナーは、水素だけでなくLPGや都市ガスなどの化石燃料でも焙煎が可能となる。

研究の結果、水素を熱源とする焙煎はコーヒーの味わいのバリエーションにも貢献する可能性も浮上。今までにない、水素焙煎ならではの味わいを引き出せる兆しが見えている。

コーヒー豆の焙煎温度は、抽出後のコーヒーの味覚にもかかわる。水素を熱源とすることで、焙煎時の高温から低温の温度調整の幅が化石燃料よりも広くなることが明らかになった。

これにより、例えば高温で一気に焙煎したり、途中からじわじわと温度を引き上げたりと多様なバリエーションで焙煎できる。UCCグループが持つ焙煎プロファイルコントロール技術と組み合わせることで、水素焙煎でしか出せない味のコーヒーを楽しめる可能性が生まれている。

水素焙煎ならではの味わいという高い付加価値がつけば、水素のコストと相殺される可能性もある。

加えて、水素を熱源とするバーナーを対象に、ヒートエナジーテック社と共同で特許を出願。焙煎機ではなくバーナーが対象のため、コーヒー以外の食品にも活用し、食品産業全体に脱炭素化の取り組みが波及する可能性がある。

現在は、工業レベルでの焙煎を控えてテスト製造を進めている。自社展示会以外の場でも水素焙煎コーヒーの試飲を実施することで、水素焙煎コーヒーの認知拡大や水素が持つ環境負荷軽減などの可能性を啓発している。

昨年は、5月にG7広島サミット国際メディアセンターで水素焙煎コーヒーを各国メディアに提供したほか、同センターの政府広報展示にてパネルで紹介した。

同年9月には、第6回水素閣僚会議にて前年に引き続き水素焙煎コーヒーを提供している。

今年1月には、「水素でかわるHANEDA未来展」の企画に協力。会場内でアンケート回答者に無償で水素焙煎コーヒーをふるまった。水素や水素焙煎に関するパネルも展示した。

水素焙煎コーヒーの取り組みは「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」というUCCグループのパーパスに基づいた、早期のカーボンニュートラル達成に向けたグループ全体での戦略的な取り組みの一つ。

UCCグループは、21年3月にサステナビリティに関するグローバルプロジェクトの検討を開始。約1年間の検討の結果、22年4月にサステナビリティ指針「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」を定めた。

このサステナビリティ指針のもと、「自然を豊かにする手助けを」「人々を豊かにする手助けを」という2つの重点領域を定めた。

「自然を豊かにする手助けを」では、2030年までに健康・教育分野で社会に大きなインパクトを与えていくことと、UCCブランドを100%サステナブルなコーヒー調達豆使用とすることを目標に掲げる。

一方、「人々を豊かにする手助けを」では、2040年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現と生物多様性を保全するネイチャーポジティブアプローチの実践を目標とした。

関連記事

インタビュー特集

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。