業務用卸の業績改善が進んでいる。トーホー、尾家産業、大光、久世、サトー商会の上場卸5社は相次いで上方修正を発表した。
▼コロナ禍で落ち込んだ外食需要が戻ってきたことに加え、インバウンド需要も回復。売上げはコロナ前の水準を上回り、利益面でも過去最高益の更新を見込む企業も多い。
▼コロナからの回復が好業績の直接的な要因であることに違いないが、根底にはこの3年間、徹底的な合理化を図ってきたことがある。配送回数の削減や受発注の見直し、業務改善により損益分岐点の引き下げを実現。営業現場では、従来は言い出しづらかったことも、コロナに直面し、顧客と腹を割って話し合えるようになった。
▼2024年問題を目前に控え、長時間の荷待ち・荷役作業の改善に向けて、メーカー・卸間の取組ガイドライン案がまとまった。持続可能な物流の構築には製配販三層の協調が不可欠。長年の慣習で曖昧だった部分を見直し、サプライチェーン全体の効率化に向けて、双方が互いの目線を合わせ、継続的な取り組みを重ねていくことが求められている。