成長を続けてきたオリーブオイルだが、歴史的な原料高騰で今期は一転してアゲンストが強まっている。
▼世界的な油脂高が続く中、ウクライナ侵攻で欧州の主要油脂である、ひまわり油の供給が混乱。その代替として、オリーブオイルの需要が高まっていたところに、主産地スペインは干ばつに見舞われ、熱波と水不足でオリーブの実が育たず、22/23年産のスペイン産オリーブオイル生産量は66万t。前年の150万tから大きく減少した。
▼昨年秋の収穫前予想78万tを下回る最終結果となり、相場は混乱。今年に入ってからも状況は変わらず、オリーブオイルの輸入価格はこの1年間で約2倍に高騰している。さらに15年ぶりの円安ユーロ高も重なり、安価なスポット品は姿を消し、国内製油メーカー各社は数度にわたる値上げを本格化させている。
▼オリーブオイルだけでなく、パスタやチーズ、トマト缶、生ハムなど輸入商材は一様に値上がりし、人気のイタリアンには逆風だが、世界無形文化遺産登録10周年で注目される和食との相性の良さを訴求する動きもある。