旭食品の竹内孝久社長は5月11日、大阪市で開かれた近畿旭友会の席上、速報値として23年3月期の概況を報告した。
グループの売上高は前年比105.6%の5千397億円(収益認識基準適用前)、経常利益は157%の45億円で増収増益。過去最高の売上、利益となった。価格改定などにより売上総利益率が0.2ポイント向上し9.8%、販管費比率が0.1ポイント低い9.8%に改善。業務用卸などグループ会社の売上高が181%、経常利益も265%と回復した。単体の売上も105%と伸長。
竹内社長は「以前は売上が伸びてもそれ以上に物流費が増えるという収益構造だったが、この1年は売上が平準化され物流費をコントロールすることができた」と説明。各エリアやグループの状況について次の通り述べた。
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関東エリアは業務用や冷食という強みを前面に打ち出し、帳合を取りに行くことができた。中四国も黒字化し、関東と中四国の経常利益率は1%を達成している。近畿は0.7%だが、1%が出せるよう得意先構造を的確に捉え、チャネルの多様化に対応することが大事。
アフターコロナという中で、今年度は外食や海外事業が回復していくと考える。中食はデリカサラダボーイなど生産事業の回復が課題となる。昨年、イズミックと共同出資し酒類の東京イズミックを設立した。新しい市場の開拓を目指す。また、寿司ネタを扱うグループの大倉は北海道と沖縄に事業所を設立し、全国へ展開している。新たな柱にしたい。