世界水準のウイスキー生産目指す 薩摩酒造「火の神蒸溜所」竣工

薩摩酒造は2月から本社を構える鹿児島県枕崎市で「火の神蒸溜所」を竣工し、モルトウイスキーの製造をスタートした。昨年12月にウイスキー製造免許を取得しており、今年中に同敷地に連続式蒸留機を新設しグレーンウイスキーの製造を予定している。さらに来年中には同蒸溜所を一般公開するほか、ショップやバーを備えた施設をオープンする予定。

薩摩酒造は焼酎業界で唯一洋樽をメンテナンスする樽工房を保有しており、その設備と技術をウイスキー造りに活用する。さらにグループ会社・本坊酒造のマルス信州蒸溜所(長野)、マルス津貫蒸溜所(鹿児島)、および2021年から生産を開始した関係会社の山鹿蒸溜所(熊本)と技術交流を行いながら生産向上を図っていく。

「注目度が高まっている国産ウイスキーへの飲用需要に対応すべく、本格焼酎のパイオニアとして磨き続けてきた製造技術を生かして世界水準でのウイスキー生産に取り組んでいきたい」(薩摩酒造)としている。

【場所】鹿児島県枕崎市火之神北町388番地
【設備】蒸溜所、樽工房、樽貯蔵庫
【蒸留機】日本産ランタン型蒸留機2機【仕込み水】火の神蒸溜所周辺の地下水(裂罅水)
【生産規模】17.5万㎡予定
【麦芽仕込量】(ワンバッチ)1.1t