味の素AGFが組織改編 生活スタイル変化に対応 チャネルの垣根超え提案へ

味の素AGFは7月1日付でリテールビジネス部とECビジネス部を廃止し、コンシューマービジネス部とビジネスクリエイション部を新設するなどの組織改編を行った。

コロナ禍でリモートワークが普及するなど人流を含めて生活者のライフスタイルが変化し、これに伴い家庭内にあるものを家庭外に持ち込むといった様変わりする消費行動にいち早く対応するのが狙い。

コンシューマービジネス部とビジネスクリエイション部では主に家庭用に対応。業務用も組織改編し、7月1日付でアウトホームビジネス部とマテリアルビジネス部は廃止され、新設のソリューションビジネス部に統合された。

組織改編による変化対応の一例について、7月26日発表した竹内秀樹社長は「業務用の場合、これまでオフィスや自販機など1つ1つのチャネルに向けて提案してきたが、今やインホームとアウトホームは融合し、この変化への対応が求められる。

たとえばマイボトルに適用するような自販機やオフィスへのマシン導入など、われわれの持つ知見を共有しながら生活者に満足いただけるようなサービスを提供していく」と説明する。

7月26日の発表会で竹内秀樹社長(味の素AGF) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
7月26日の発表会で竹内秀樹社長(味の素AGF)

ギフトも一例に挙げる。「ギフトといえば、これまでお中元・お歳暮が中心だったが、生活者のライフスタイルが目まぐるしく変わり、ECでも贈答できるようになった。母の日、父の日、誕生日、イベントでの贈答をギフトととらえると、各チャネルに絞り込むのではなく、オールトレンドを見据えた展開が重要だと考え、組織をライフスタイルに合わせた」と語る。

組織力全般については強化が図れているという。昨年6月から現職の竹内社長は、社内の垣根を取り払うことに腐心。社員一人一人が目標を設定しそれを発表する機会も設けるなど、効率を高める働き方改革ではなく、自由闊達にチャレンジして自分の存在感を明確にする「働きがい改革」に取り組んでいる。

これらの取り組みが奏功している模様で「チームAGFの一体感がさらに強まり、今、邁進している」と胸を張る。

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