PET緑茶はどれも同じ?意識変革迫る「生茶」大刷新 “生”ならではのおいしさを

キリンビバレッジは今春、「生茶」ブランドを大刷新し22年販売計画で前年比9%増となる3千万ケースの大台突破を目指していく。その目玉の施策となるのが、旗艦アイテム「生茶」本体の6年ぶりとなる大刷新。中味・容器・パッケージデザインを大きく刷新して26日から発売される。

中味は生茶葉ならではのおいしさを追求。具体的には、摘み立ての茶葉を芯まで凍らせて搾られた「まる搾り生茶葉抽出物」を進化させ、生茶葉の特徴である清々しさ・香り・爽やかさをより引き出したほか、爽やかですっきりと飲みやすい味わいに磨きをかけるため茶葉の火入れと抽出温度を全面的に見直した。これにより2000年の「生茶」デビュー当時のインパクトを打ち出す。

植村昌史マネージャー(キリンビバレッジ)
植村昌史マネージャー(キリンビバレッジ)

3月30日取材に応じた植村昌史マーケティング部ブランド担当ブランドマネージャーは「2000年の誕生当時はペットボトル(PET)入り緑茶の『苦くておいしくない』という固定概念を覆して『生』ならではのおいしさで市場を席捲した。しかし時代とともに『生茶』の生の意味性が希薄になり単に『生茶』という名前の特長がわからない緑茶として選択理由が不明瞭になってしまった」との見方を示す。

このような課題認識から今回、「PET入り緑茶はどれもそんなに変わらない」という消費者意識に着目。「逆にお客様の意識を覆すような驚きや発見をもう一度提供できれば、この緑茶カテゴリーでもう一度大きな動きをつくりだせる」と意欲をのぞかせる。

今回の中味設計にあたっては変化する消費者ニーズも反映させた。「市場売上の7割を構成する40~60代の嗜好傾向が『すっきり』『飲みやすい』お茶に変化している。飲み物全体でそのような傾向があると考えている。これには生活習慣や食生活の変化があるかと思うが、コロナ禍になりお家で飲まれる際、飲みづらさや飲みにくさがあると忌避されるのではと捉えている」。

キリンの環境フラグシップブランドとして525㎖と600㎖サイズに短尺ラベルと新容器を導入、すっきりとしたおいしさを訴求すべくデザインも刷新した。短尺ラベルで中味をみえるようにしたことに加えて「茶葉を重ねたラベルデザインがポイントで、茶葉が生き生きと舞う様子を表現し緑茶らしい上質感と爽やかさを表現している」。

環境面では525㎖と600㎖のラベルを短尺化したことで従来比約40%、年間換算で約180tのラベルによるプラスチック使用量の削減を見込む。また新容器の角形ボトルを採用することで、積載効率アップによる環境負荷低減とコスト低減も見込む。

角形ボトルの採用で525㎖PETのケース(24本入り)は現行品と比べ幅を7ミリ縮小。これにより1パレット当たりの積載ケース数は48㎖から60㎖に増え積載効率は1・25倍となる。

そのほかラベルレスボトルの6本パックに使用しているカートンの使用量を短尺化し、自販機用555㎖にはメカニカルリサイクルによる再生PET樹脂を100%使用した「R100 ペットボトル」を年内に順次導入拡大していく。

コミュニケーションは、大刷新した「生茶」の新しいおいしさを伝えるべくTVCMを3か月で3千GRP投下するほかデジタルや屋外広告など多岐に展開。「新しい取り組みでは、発売前後の両方でキャンペーンを展開する。ブランド横断で告知キャンペーンを実施して発売に向けて期待感を醸成し発売後もキャンペーンでトライアルを促進していく」。

「生茶」本体の大刷新に伴い、「生茶ほうじ煎茶」も中味はそのままに容器・パッケージデザインを刷新して本体とともに26日からリニューアル発売される。「ほうじ煎茶」は昨年300万ケースを販売し市場定着に向けて前進。「購入本数はほうじ茶カテゴリーで№1となった」。今年は「ほうじ煎茶」をブランドの第2の柱に育成し「生茶」本体とともにブランド成長のけん引役を担う。

ほうじ茶市場は「無糖茶市場の中ではトップクラスで伸長しているカテゴリーで、昨年だと予測で109%。今年は104、105%とみている。ほうじ茶飲料市場は緑茶飲料市場の10分の1以下のカテゴリーで、緑茶飲料との併飲ユーザーが多いところにチャンスがある」とみている。

機能性食品「免疫アシスト」も強化

プラズマ乳酸菌配合の機能性表示食品「生茶 ライフプラス 免疫アシスト」と「生茶デカフェ」も強化する。「免疫アシスト」は昨年10月に発売され想定を上回る販売実績になったという。「21年に一定の成果を収め、今年も『iMUSE(イミューズ)』を含めたプラズマ乳酸菌の広告投資の効果もあり予定通り推移。本体とのカニバリも思っていた以上にない」と説明する。「生茶デカフェ」の今後についても「いろいろ検討している」と述べる。