メール便対応商品を導入 物流費高騰などECの社会課題に対応 味の素AGF

味の素AGF社は、通販で初の試みとしてメール便に対応した商品を導入して社会課題解決を推し進めていく。

初のメール便対応商品は「〈煎〉レギュラー・コーヒー プレミアムドリップ アソート12袋」で、14日からAmazon.co.jpで先行販売している。

メール便は、配達方法がポスト投函のため再配達の可能性がなく配送員の労働改善につながるほか、利用者にとっても時間を気にせず受け取ることができ配送料が安く抑えられるなどのメリットがある。

その上、同商品は緩衝材付きの封筒などに入れる必要がなく、商品外装にそのまま送り状を貼り付けて発送できるのが特徴。省資源化が図られ環境にもやさしい設計になっている。

布田明日和主任(味の素AGF) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
布田明日和主任(味の素AGF)

「物流費が高騰し送料無料の購買金額の条件が引き上げられる中、お得い意先さまとご購入者さまの配送に関するご負担を軽減したいと考えた。当社のメール便は事業者さまの梱包の手間と、ご購入者さまの解体・廃棄の手間が省けてエコと省手間の両方に貢献する」と胸をはるのは、開発を担当した布田明日和ECビジネス部商品開発グループ主任。

メール便は、厚さを2.5㎝以内などサイズの上限があり、同商品は上限ギリギリまで詰め合わされている。

アソートは「香醇 澄んだコク」6袋と「濃厚 深いコク」6袋の計12袋。この入り数は「コーヒーの粉量は一般的なドリップコーヒーよりも多い1袋当たり10gが入っており、個包装内でガスが放出されて膨らむことも想定した上限となる」。

商品外装はテープ類などを一切使用せず、一度閉じるとその閉じた箇所を破らない限り開けない“はめ殺し機構”を用いて閉じられている。

〈煎〉レギュラー・コーヒープレミアムドリップ(味の素AGF) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
〈煎〉レギュラー・コーヒープレミアムドリップ(味の素AGF)

ミシン目の入った側面をテープのように引っ張って開封し、開封後もフタ面を指定の箇所に差し込むことで“フタ留め”できるようになっている。

見た目も重視し、汚れが目立ちにくいグレーをベースカラーに説明を極力廃したシンプルなデザインに仕立てられている。

商品外装は段ボールケースの中に伝票の貼る場所が縁取りされた裏面を上にして積まれ、配送員が貼付け作業をスムーズにできるように配慮されている。

パッケージでは伝えきれない商品特徴やエコへの貢献といった説明は、Amazon.co.jpの販売画面に盛り込まれている。

「〈煎〉レギュラー・コーヒー プレミアムドリップ」は昨年8月に、コーヒーのイメージを強化したロゴやパッケージに刷新し、ECを主要チャネルに「香醇 澄んだコク」(5袋・20袋)と「濃厚 深いコク」(同)を販売したところ「おいしいプレミアムなコーヒーであることが伝わり」リピート購買が牽引して好調に推移している。

アソートは「香醇 澄んだコク」6袋と「濃厚 深いコク」6袋の計12袋(味の素AGF) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
アソートは「香醇 澄んだコク」6袋と「濃厚 深いコク」6袋の計12袋

課題は、高価格帯に手を伸ばそうとしない新規ユーザーの開拓にある。今回、通常よりも配送料が抑えられたメール便を導入することでトライアル獲得を図っていく。販売価格は税込み1千131円。

「そもそも『煎』は1杯当たり50~100円の高価格ゾーンで、小売用では取り切れない本格志向のユーザーが獲れているが、受け取りの手間削減、アソート、試しやすい入り数といった購入しやすい商品設計にすることでトライアルを獲得していきたい」と述べる。

「香醇 澄んだコク」と「濃厚 深いコク」の2品を詰め合わせた初のアソート品であることでもトライアルを促進していく。副次的にはプチギフト需要やリピート購買も見込んでいる。

開封後もフタ面を指定の箇所に差し込むことで“フタ留め”できる(味の素AG/メール便対応商品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
開封後もフタ面を指定の箇所に差し込むことで“フタ留め”できる
 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)