カバヤ食品はチョコレートビスケットのロングセラーブランド「さくさくぱんだ」をリブランディングする。
新たに取り入れた米粉を起点にビスケットとチョコレートを一から再設計して大刷新。装いも新たに20‐40代女性にも照準を合わせて「かろやかさ」を追求して、子どもも大人も共感できるブランドへ生まれ変わる。
「『さくさくぱんだ』が今年で発売30周年の節目を迎えたこともあり、新たな価値を提供することで、より多くのお客様に選ばれるブランドを目指したい。大規模設備投資を伴うリブランディングに踏み切り、今後、当社の中で主力ブランドの一つとして再育成していきたい」と意欲をのぞかせるのは担当の大須賀遥香さん。

リブランディングに踏み切ったのは、「さくさくぱんだ」の資産の1つである、ぱんだをモチーフにしたデザインによる「かわいさ」に加え、味わいや品質面でも選ばれるブランドへ進化させたいと考えたため。
「かわいいだけではこれからも選ばれ続けるブランドになるのは難しいと考えた。中身については、もちろん、おいしさには自信があった。一方で『また食べたい』と思っていただけるような記憶に残る味わいを目指して、さらに磨き上げる余地があると考えた」という。
大刷新にあたり、記憶に残る味やターゲットのインサイトから浮かび上がったかろやかさを追求するため生地の素材を見直すところから取りかかった。
「従来品は、全体的に濃厚な味わいに仕上げており、一粒でも満足度が高い傾向にあった。一粒食べたら、もう一粒食べたくなるような連食性を生み出そうと、いろいろな素材を検討して辿り着いたのが米粉だった」と振り返る。

ターゲットの中心となる20-40代女性は、仕事・子育て・家事に忙しく、軽いものがちょうど良いと感じることが増えてきた層と想定。
このような層に向けて、ビスケットの素材を小麦粉から米粉にすることで物性的なかろやかさに加えて、気持ちもふっと上向くといった情緒的なかろやかさも打ち出す。
「米粉にしたことで食べたときの生地の“崩壊性”が高まり、“さくさくさくさく”と軽快に食べ進められる食感を実現した。加えて、米粉がもつ健康感や高品質といったイメージも、製品の魅力として感じていただける」と胸を張る。
グルテンフリーを訴求していくことも決断。
「目指すのは子どもも大人も共感できるブランドであり、グルテンフリーになったことで、アレルギーのある子どもも一緒に楽しむことができる。みんなで同じ食べ物を共有したいというのが、家族の想いだと思う」と述べる。
グルテンフリーを訴求するためには、小麦粉のコンタミネーション(意図しない混入)を防ぐ必要がある。
そのため、製造設備や環境を整備し、グルテンフリーに対応した生産体制を構築した。
こうした生産体制の切り替えに伴い、従来品は2月に製造を終了し在庫分限りの販売とした。
米粉生地を使用した競合のビスケット商品は存在するものの、グルテンフリーを謳える流通菓子のビスケットは少なく、競合が少ないことも特徴に挙げる。
米粉のビスケットとの相乗効果を生み出すべくチョコレートも改良した。
「ビスケットに隠し味として焙煎玄米を使用した。『さくさくぱんだ ミルク』は2層仕立てのミルクチョコレートに少量の塩を加えて、すっきりとしたやさしい甘さに仕立てた。ミルク感とカカオ感のバランスをを見直しすことで、かろやかさを感じられる味わいに仕上げた」と説明する。

ラインアップは、「ミルク」(47g)「いちご」(同)のパウチタイプ2品と「ミルク」の小袋を6袋詰めあせたシェアパックの「しあわせパック」の計3品。
従来品ではパウチタイプとファミリーパックで異なるターゲットを想定し、それぞれに合わせたデザインを採用していた。今回のリブランディングではターゲットを統一させてブランド全体で一貫した訴求を強めていく。
「パッケージで伝えたいのは、ビスケット生地に米粉を使用していること、それによる”さくさく食感“、新しく生まれ変わったということ」と語る。
「いちご」は、チョコレート市場の中の王道フレーバーでありトライアル獲得を狙って新たに導入。フリーズドライのいちごを使用し、甘酸っぱくかろやかな味わいに仕立てられている。

9月15日にパウチタイプ2品を大手コンビニで先行発売。10月6日から「しあわせパック」を含めた計3品を全国の主要チャネルに発売していく。
コミュニケーション施策は、10月と12月に全国でTVCMを放映して米粉と食感を訴求していくほか、WEB広告やインフルエンサーを起用したSNS施策などを計画している。
キャラクターデザインの種類やあり方、IP化などについても今後検討していく。
「おいしさや米粉によりさくさく食感など価値だけでなく『さくさくぱんだ』でしかない、かわいさや気持ちをふっと上向くといった情緒的価値もしっかり伝えていきたい。今回のリニューアルをゴールとせず、製品やブランドに磨きをかけて、多くの方の気持ちがほころぶような存在であり続けたい」と力を込める。
