DM三井製糖は、2027年3月期を起点とする「中期経営計画2030:DM三井グループ2.0」を始動させた。基盤領域である砂糖事業の構造改革により経営資源の創出を図るとともに、成長領域のライフ・エナジー事業に重点配分し成長を加速させる。
砂糖事業の基盤強化は、2025年4月からの和田製糖との生産受委託開始、2026年9月の関門製糖の生産終了など着々と進んでいる。森本卓社長は「砂糖の収益力とキャッシュ創出力が高まっている。将来的に砂糖事業とライフ・エナジー事業が両輪となる事業構造を目指す」と自信を深めている。
ライフ・エナジー事業は「シニアニュートリション」「スポーツニュートリション」を軸に事業領域の拡大を狙う。「高齢化の進展で低栄養やフレイル、医療・介護現場の人手不足が深刻化している。スポーツ分野でも競技力向上や健康維持のためのエネルギー摂取といった課題がある。グループの知見を活用し、事業成長の機会としたい」(森本社長)。
シニアニュートリションでは栄養療法食品に強みを持つニュートリーとのシナジー発揮に力点を置く。2026年9月には、高齢者向け宅配弁当「宅配クック123」や高齢者施設向け食材卸「特助くん」を展開するシニアライフクリエイト(SLC)を買収。今後、両社の強みを組み合わせ、病院・介護施設・在宅高齢者をつなぐ「食と栄養」を届ける仕組みを構築する。

「ニュートリーは病院・介護施設など幅広い顧客接点を持つ。SLCの在宅高齢者や高齢者施設が加わり、商品販路は一気に拡大する。施設内調理の人手不足に悩む病院・介護施設に向けてSLCの完全調理品を提供できる一方、SLCの在宅高齢者や高齢者施設にはニュートリーの栄養療法食品や摂食嚥下食品の提供が可能となる」と期待を寄せる。
スポーツニュートリションでは2026年10月、持久系アスリートのパフォーマンス向上を栄養面から支える新スポーツブランド「Zq(ジキュー)」を立ち上げた。長年培った糖質研究の成果と栄養療法の知見を生かした2商品を第一弾商品として投入した。
「糖質はスポーツ・運動の重要なエネルギー源。単なる素材の提供ではなく、『どのタイミングで、どのように糖質を摂取するか』を含め科学的に提案することでスポーツニュートリション市場の発展に貢献したい」としている。
同社のライフ・エナジー事業の基本方針は“Nutrition by Life Stage”。全世代を対象とするスポーツニュートリションのほか、今後予想される超高齢化社会への対応においてはシニアニュートリション、ADL(日常生活動作)を支えて健康寿命の延伸を図るアクティブ・シニア・ニュートリションの市場成長が期待される。
森本社長は「これまで砂糖事業で蓄積してきた経営資源を、成長投資、人的資本の強化、社会課題の解決に振り向けて、人々の『幸せのちから』になる」と力を込めた。
