トラックドライバーの人手不足などへの対応として、亀田製菓はパレット輸送の拡大やパッケージの改善を推進していく。
工場から菓子などを出荷する際、段ボール1箱ずつ手作業でトラックに積み込むことをバラ積みという。
バラ積みはトラック荷台の天井までぎっちり詰め込めて積載効率を高められる一方、積載に時間を要するのが難点となっていることから、パレット輸送で積載時間とドライバーの待機時間を短縮するとともに、パッケージを改善して積載効率を高めていく。
同社は既に、新潟の3工場から消費地の倉庫(16センター)への輸送と大手卸・大手流通の倉庫(42センター)への直送でパレットを取り入れている。
全輸送に占めるパレット輸送比率は現在41%。消費地の倉庫から得意先の倉庫への輸送に関してはバラ積みが多く、今後はこの部分にもメスを入れて、パレット輸送比率を50%に引き上げていくことを当面の目標に掲げる。

4月23日、取材に応じた渡邊俊雄SCM部シニアエキスパートは「パレット輸送をさらに拡大していきたい。そのために、トラックへの積載効率の低下やレンタルパレットの費用がかなり高額であるといった課題にも対応していきたい」と語る。
積載効率の向上には、1パレットに積める段ボールを増やすべく段ボールのモジュール化を推進していく。
パッケージの改善はトレーを抜くことや、パッケージ内の空間率を低減させる取り組みで、2018年度から実施している。改善パッケージは現在、63SKUに上る。
これにより、ある商品では1パレットあたり積載される段ボールが65ケースから80ケースへと拡大。
10トントラック換算では積載量が5760袋分増加した。
「プラスチック使用量が約44%削減、段ボールの重量も約22%削減された」という副次的な効果も得られた。
パレット費用の吸収策としては、納品先に対して、優先的な荷降しのほか、納品時間延長による1日2回配送などを提案している。
得意先からの発注から納品までのリードタイムを延ばしてもらえるように働きかけることでトラック積載効率向上を図り夜間出荷作業を削減していく。
バラ積みが主流の消費地の倉庫から得意先の倉庫への輸送については、外部委託している運送会社との話し合いを重ねることでパレット輸送化を推進していく。
「パレット輸送は積載効率が落ち利益も落ちるということで敬遠されがちだが、作業負担の軽減と作業時間の短縮を図る取り組みであると根気強く対話をしていくしかない」と述べる。
亀田物流センターの積込と福岡配送センターでの荷降ろしにおいて、12フィートコンテナによるパレット輸送テストを実施したところ、亀田物流センターで40分、福岡配送センターで35分の作業時間短縮を実現した。
「積載効率が多少悪くなっても、作業者の負荷や将来の人員不足を考えると実施しなければならないと考えている。作業時間の短縮化や積み方の工夫により積載低下によるコスト増分を相殺できるように研究を継続していく。」という。
パレット輸送の拡大には、パレットの標準化(共通化)が必須であるとした上で、同社は2024年度から共通パレットへの切り替えを推進。2026年度には全パレットを共通パレットにしていく。
食品ロス削減や物流の在庫管理の効率化やオペレーションの簡素化などの取り組みとして、賞味期限表示を「年月日」表示から「年月」表示への変更も進めていく。現在、「ハッピーターン」と「亀田の柿の種」の11SKUで年月表示を導入している。
輸送手段の拡大の取り組みとしては、31フィートウイングコンテナを利用してオールパレットでの鉄道輸送のテスト運行を実施。同コンテナは10トンとほぼ同等の積載容量を持つ。2025年6月からは25mダブル連結トラックの運行も開始した。
物流を削減する取り組みでは、2025年10月に、亀田製菓の子会社である新潟輸送が、三菱食品の子会社であるベスト・ロジスティクス・パートナーズと群馬県邑楽郡板倉町に菓子共同物流センターを稼働した。
約1800坪の倉庫内に、三菱食品の菓子物流センターと新潟輸送が担う菓子共同配送事業の北関東共配センターを併設したことで、亀田製菓としては「二次配送が不要となっただけではなく、小売企業のセンターへの輸送においても三菱食品さんお取り扱いの商品とともに当社の商品を一緒に運んでいただける」との効果を見込む。



