「日本のお菓子は世界一」――。
菓子卸最大手・山星屋の猪忠孝社長と菓子メーカー代表者が壇上に上がり声をあわせてこう述べ拳を突き上げると、キャノン砲が発射されきらびやかなテープが宙を舞う。
6月17日、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で菓子総合展示会「ARISTA FAIR(アリスタフェア) 2026」が幕を開けた。開催期間は18日までの2日間。

開幕に先立ち挨拶した猪社長は「山星屋の商品展示会は1959年には既に見本市(大特価見本市)として開催されていることが業界紙の記事で確認できている。その後、1986年に第1回山星屋フェアとして現在につながる展示会方式の第一歩を踏み出し、2026年で40年の節目を迎えた。これも本日ここにお集まりいただいたご出展企業の皆様のお力添えの賜物」と感謝の意を表する。
1990年には、フェアの冠名を山星屋からA Rising Starの略となるARISTA(アリスタ)に変更した。
今年は「菓子CHALLENGE 〜お菓子(かし)を賢(かし)く『可視かし化』する〜」をテーマに掲げ、市場トレンドや多様なニーズを可視化し次の一手を導き出す。
山星屋としては、今回の展示会を40年の感謝の分かち合う場であるとともに菓子産業の明るい未来を生み出す出発点と捉えている。
「人口減少や価値観の多様化、原材料・包材コストの上昇、サステナビリティへの対応など我々を取り巻く事業環境は年々厳しさを増し、今まさに大きな転換点を迎えている。しかしながら、このような環境だからこそ、多様なメーカーさまの個性と強みをつなぎ、小売業さまを通じて消費者の声を的確に捉え、新たな市場、新たな食シーン、新たな感動を創り出していくことがアリスタフェアの役割」と力を込める。

山星屋のマーケティング企画提案エリアは、売場研究・生活者研究・トレンド研究の3つのテーマで構成され、買上点数を最大化する提案や新たなニーズを紐解く提案、食と社会の一歩先の予測が展示された。
売場研究では、スーパーの総菜売場でクロスMDが重視されているとし半生菓子とのクロスMDを提案。
シニア層が主要顧客のパン・日配売場に向けては板・粒チョコレートの展開が好適とし、ファミリー層が主要顧客の精肉売場に向けてはポケット菓子の展開が好適とした。
「お菓子かくれんぼ企画」と称し、飲料・乳製品・青果・鮮魚の部門横断で菓子を露出し、家族連れの来店が増える大型連休にあわせイベントとして展開することで売場の回遊性と売上を最大化するアイデアも紹介。
一例を挙げると、他部門に並ぶ商品と同じ商品名・フレーバーの菓子を販促ツールで訴求し店内を回遊する動機を創出する。

生活者研究では、推し活女子やセルフケア男子など菓子で注目すべき令和版生活者の価値観ターゲット10選や2季化に対応する新52週MDなどが紹介された。
トレンド研究としては消費心を動かす以下の5つのネクストワードを紹介。
――「五感に訴える」
――「〇〇すぎる」(すごい・とてもといった従来の称賛・好意表現では足りずより強いインパクトを表現するときに使う言葉)
――「自分ファースト宣言」
――「おやつでいいじゃん」(菓子で食事をすませる習慣)
――「うま確」(絶対に失敗しなくない心理)
新たな消費の原動力として「界隈」にも着目。
素材選びやプロセスを重視する「丁寧な暮らし界隈」や背徳的な食品を楽しむ「健康キャンセル界隈」、商品を自分好みにカスタマイズするトレンドの「カスタム界隈」などをピックアップ。
「平成レトロ界隈」ではシール帳文化から派生したとされるお菓子帳などを展示していた。



