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総売上約8兆円に上るロッテグループ 日韓連携を視野にウエルネス事業へ参入 歯科医院向け口腔リハビリサポートシステム販売

 ロッテホールディングスは、韓国のロッテコーポレーションとの連携を視野にウエルネス事業へ本腰を入れる。
 携帯カイロやコラーゲンなどで積み上げた現在20億円程度の同事業規模を2030年に100億円へと引き上げる。

 6月4日、発表会に臨んだ玉塚元一社長CEOは、ロッテグループの2024年総売上が約8兆円に上り、そのうち菓子などの食品が占める割合が15.5%、残りをホテル・物流(28.9%)、化学(28.6%)、流通・小売り(27%)が占めていることを紹介した上で「韓国がこれだけ多岐にわたる事業を展開しているにもかかわらず、そのうちの一部しか日本と連携されていなかった」と語る。

ロッテホールディングスの玉塚元一 社長CEO(中央)、平井秀治ウエルネス事業戦略部部長(右)、ウエルネス事業戦略部の小原裕平氏
ロッテホールディングスの玉塚元一 社長CEO(中央)、平井秀治ウエルネス事業戦略部部長(右)、ウエルネス事業戦略部の小原裕平氏

 2021年6月から現職の玉塚社長の使命は、日韓の壁を取り払いグループ全体のシナジー創出を図ことと、韓国との連携を視野に日本事業を成長軌道に乗せることにある。

 成長戦略の柱は、食品・ライフサイエンス&デジタル・ライフスタイル&エンターテインメントの3つ。

 ウエルネス事業は食品の柱の一角をなす。
 既存のウエルネス製品群からオーラル・フィットネス・ニュートリション・ライフ&ビューティーの4つを事業領域とする多角的なポートフォリオへと転換する。

 平井秀治ウエルネス事業戦略部部長は「韓国においては日本以上に多くのアセットとネットワークがあり、これらを活用すると従来にないようなウエルネス事業が展開でき、世の中の人に対して違った角度で心身の健康をサポートできる」と述べる。

 4つの事業領域の中で、かねてから最注力しているオーラル領域から6月4日、販売開始されたのは歯科医院向け口腔リハビリサポートシステム「mogpal(モグパル)」。

 1948年の創業以来、ガムの製造・販売とともに取り組んでいる噛むことの研究で培われた知見を活用して開発された。
 開発にあたっては、300人以上の歯科医師や歯科衛生士からヒアリングを行い、経験豊富な口腔機能のリハビリを進めている歯科医師・歯科衛生士が監修した。

 「100歳になっても誰もが食事をもぐもぐ食べ続けられるために開発した口腔リハビリサポートシステム。歯科医院の方々と一緒に、楽しく・簡単にトレーニングができ、皆さまの豊かな食生活を支えるパートナーになる」と力を込める。

 「モグパル」は、オーラルフレイルや子どもの口腔機能発達不全症の予防を目的とする。

 東京科学大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原玄(はるか)教授は「幼児の口腔機能の未発達は発育、姿勢、睡眠、学習への集中力、将来の咀嚼嚥下能力まで長く影響する。大人になれば自然に身につくものではなく、その時期にこそ専門家による正しい指導が必要。高齢者のオーラルフレイルと共通するのは、検査して診断して、それで終わりにしない仕組みづくりが現在の日本の歯科医療に求められている」と指摘する。

 「モグパル」は、歯科医院における検査・診断・リハビリ・継続管理を切れ目なくワンストップでサポートし、現場の歯科医師や歯科衛生士が日々の診療の中で無理なく使えるものになっている。

 戸原教授は「『モグパル』は私が現場で長年感じていた口腔機能管理のインフラが欲しいという願いに高い水準で応えて下さっている」と太鼓判を押す。

 ウエルネス事業戦略部の小原裕平氏は「患者さんの検査が効率よくいかず採算が合わない、一人ずつにきめ細やかなサービスができず患者さんを増やして受け入れることができないといった課題にシステムがサポートする」と説明する。

 既に東北エリアの歯科医院90院にプレ販売し1000件以上の検査実績を上げる。
 歯科医院への販売網は構築している段階で、当面は販売代理店とのパートナーシップを強力に推進して導入拡大を図っていく。
 初年度は全国500院への導入、 2030年度までに歯科医院全体の20%への普及を目指していく。

 2026年6月の診療報酬改定により子ども世代も含め歯科医院における口腔機能管理の評価がさらに拡充されるなど口腔リハビリテーションやトレーニングの重要性が一層高まっていることが導入の追い風となりそうだ。

 たかだ歯科クリニック(岩手県)の高田昌樹院長は、プレ導入した「モグパル」について「結果的にチェアタイム(治療時間)の短縮につながっている。患者ごとに管理されるため患者の数が増えるに従いメリットを感じている。点数(歯科診療報酬点数)も増え、患者の健康を守るというでも大変評価している」と評する。

 2018年に口腔機能低下症が保険導入された際には「ガイドラインに沿ってやってみたことがあったが、検査の難しさ、指導に対する知識不足を痛感して2、3回でやめてしまった」と振り返る。

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