小泉農相、いきなり背水の陣 コメ価格引き下げへ 随意契約で無制限放出

辞任した江藤拓農水大臣の後任に指名された小泉進次郎氏は21日夜の就任会見で、コメの価格引き下げを最優先の緊急事項として取り組む姿勢を示した。これまでの施策が不調に終わり、前大臣の失言も重なって農政への不信感が高まるなか、就任早々から背水の陣に追い込まれた形だ。

「最も力を入れなければならないのはコメに尽きる。石破総理からも指示を受けた。昨年に比べて倍近くまで値上がりした価格が下がり、国民のみなさんが安心してコメを食べられるよう、現在の環境を解消できる新たな取り組みを行う」と表明。7月まで毎月10万tの備蓄米を入札により放出するという従来の計画を抜本的に改め、随意契約で売り渡す方式に転換することを明らかにした。契約先は幅広く募り、需要に応じて無制限に放出する方針。

この日、党首討論に臨んだ石破茂首相が「コメは(5㎏)3千円台でなければならない」との考えを示したことについて問われた小泉氏。

「異常な高騰を食い止めて安心していただきたい、その思いで3千円台と言ったと思う。ただ昨年の価格と比べれば、3千円台でも高いという地域があることも事実。3千円で大丈夫だということではない」。

では2千円台を目指すのか?

小泉氏は「去年のデータをみると、2千円台が当たり前だった。今の水準からどれくらい下がったかではなく、この急激な高騰の前はいくらだったのかを忘れないことが重要」と強調。

そのうえで「総理が『構造的要因』という言葉を使っているのは、賃上げや資材の高騰などインフレ型の経済になってきたことで、去年の2千円台まで下がることはないのではないか(ということ)。そういうことも踏まえたうえで、適正価格はどれくらいか、いかに社会の一人ひとりのみなさんの納得感を形成できるかを考えたい」として、随意契約の詳細な制度設計を急ぐ考えを述べた。

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