全調食東日本ブロック会は2月18日、都内で「第46期定例研修会」を開催し、25人が参加した。研修会のテーマは、食品製造業の事業承継。マクサス・コーポレートアドバイザリーでシニアヴァイスプレジデントを務める卯田泰基氏が食品業界のM&A事例や事業承継手法を紹介した。
冒頭、菊池光晃ブロック会長(菊池食品工業社長)が経営環境の悪化について持論を述べた。菊池会長は物流問題を例に挙げ、「われわれが量販店などに遠慮していたことも、今後は主張しなければならない。そうでないと共倒れしてしまう」と指摘。続けて「ソルビン酸を使用することにより常温で物流できる商品がある。これにより5%程度は物流費を削減できる。中には保存料を使いたくないという企業もあるだろう。しかし生き残るためには必要なこともある。共同配送の事例も増えてきた。東日本ブロックでは、会合に参加するだけでなく協力して良い活動を続けていこう」と呼びかけた。

研修会では、卯田氏が過去1年間の食品製造業のM&A件数が175件に及んだことを紹介。非上場企業のケースを加えると実際は2~3倍の件数になると述べた。また譲渡企業の75%が従業員20人以下の小規模事業者であることにも言及し、国内のM&A件数が事業承継を理由にほぼ右肩上がりで増加している点にも触れた。
卯田氏は各社の事例を挙げながら、「事業を守るには事業承継対策を早期から進める必要がある。後継者不在の場合はM&Aも選択肢だが、仲介業者任せにしてはならない」など事業承継の注意点について語った。
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