食品添加物および食品副原料製造・販売の旭東化学産業(TEL03-3409-4751)は、1955年に創業以来、「当たり前のことを、当たり前に」の精神で、お客様に満足頂ける美味しく・安心・安全な製品のご提供を目指し、2つのテーマ取り組み続けている。
第一に、食品添加物の専門メーカーとして「美味しさの追求」である。美味しさを化学の目で捉え、物性・食感を追求。そこから導き出したデータやノウハウをもとに、ユーザーの商品開発のサポートをする。もう一つは、「安心安全な製品の提供」である。食の安全は全てに優先するという信念のもと安心安全な原料の選定や安定供給の面から小回りの利いた対応を心掛けている。また、「機動力と課題解決力で、お客様と協業し、付加価値を創出する」という社是の元、お客様の困りごとをスピーディーに対応する体制を整えているのも大きな特徴である。そこから生み出される多彩な製品の中から、次のカテゴリーにおける各種製品を紹介する。
【冷凍食品】同社「ロスファガス」ブランドの各種製品をラインアップ。大きく水産用と畜肉類用があり、水産用はさらにエビ、イカ、魚の切り身などに特化した製品がある。使用対象により、解凍後のドリップ防止、臭みのマスキングといった多様な効果を発揮するとともに、いずれも歩留りを向上。加えて、食感も改良するのが特徴的である。
これら各種製品のうち、最近特にニーズを高めているのが、魚の切り身用のpH調整剤「ロスファガスMK-S」である。歩留りを向上させ、食感も改善するもので、標準添加量は冷水97・0%に同製品3・0%の比率で使用する。その効果を、同社は市販の銀鮭を使い、実際に試して確認している。
同重量の銀鮭2切れを、無処理のものと、銀鮭と同重量の同製品溶解液に10℃以下で17時間浸漬(必要に応じて浸漬時間短縮も可能)したものを比較。同製品溶解液浸漬のものを10分間水切り後重量測定し、浸漬歩留り(元重量と浸漬後の重量を比較)を算出(107・8%)。オーブンで250℃・15分加熱して10分間放冷後重量測定し、加熱歩留りを算出。
その結果、無処理のものの加熱歩留りは83・5%であったのに対し、同製品溶解液に浸漬したものは89・0%と、歩留り向上を確認。さらに、パサつく感じがなく、しっとりとした食感改良がなされていることも確認している。
【製菓・製パン】メイン製品は、スポンジ・ケーキ(以下、ケーキ)用乳化起泡剤「ユニテックス」である。ケーキは卵と砂糖をホイップし、小麦粉を加えて泡立てて焼成するが、無添加の場合、作り手により品質にバラつきが出やすい。同製品を使用することで製品のブレを抑え、熟練者でなくても安定した製品が作れる。
卵・砂糖・小麦粉・油脂と同製品を同時に混ぜる「オールインミックス法」でも安定したケーキが作れるので、工程時間(ホイップ時間)を短縮しながら、大量・連続生産を容易にする。食感をソフトに改良し、(食感・物性において)品質保持期間が長くなるというメリットもある。
さらに、同製品と共に積極的な販売展開を行っているのが、乳化剤製剤「ユニキープRG-Y」(糊料の働きも有する複合的な製剤)だ。
その特徴は、ケーキやクリームなどスイーツ材料の「乳化」および「保湿」効果に優れ、「冷凍耐性」を付与する。カスタードクリーム、チーズケーキなど冷凍スイーツ類では、解凍後もボソつき・ザラつき・離水を抑え、なめらかな状態を維持する。
同製品はペースト状で後添加も可能であり、加熱しなくても効果を発揮。ホイップクリームでは、チャーニング(脂肪球が凝集し、脂肪の粒とそれ以外に分かれたボソボソの状態)の発生を顕著に抑える。
また、「でんぷん老化改善」「たんぱく変性改善」効果があり、くちゃつき・パサつき・分離・硬さを改善する。
洋菓子以外にも、和菓子・パン・麺類・冷蔵ピザ生地など用途は幅広く、上記の効果以外にも、電子レンジ耐性(ヒキ防止)など汎用性に富んでいる。
【アイスクリーム・冷菓】メインブランドの「ユニーゲル」をはじめ「ハイゼリー」・「ユニアガー」など次のような製品形態や物性に合わせた安定剤、乳化安定剤を多彩にラインアップしている。
◆カップアイス バーアイス向け=適度な粘性の付与や、ミックスの安定に特化◆ソフトクリーム モナカ=保形性、造形性を重視◆アイスキャンデー=糖ダレの抑制を重視◆かき氷=糖ダレ防止と、適度なオーバーラン性◆シャーベット用=適度なオーバーラン性や物性に特化◆プレミアムアイスなどのミックス粘度の上昇を抑えるなど特長を持った製品を各種取り揃えている。