コカ・コーラシステムは今年、カフェブランド「コスタコーヒー」でコーヒーの全方位戦略を展開してトライアル獲得と飲用頻度拡大を図る。
昨秋、「コスタコーヒー」カフェ店舗の旗艦店が開業。これにより全方位戦略の基盤となる業務用(PTS・Express)・消費財(飲料・家庭用嗜好品)・カフェ店舗のマルチプラットフォームが整備された。今年は、このマルチプラットフォームを本格活用していく元年となる。
4日、囲み取材に応じた日本コカ・コーラの金澤博史副社長トータルコーヒーエンタープライズは、マルチプラットフォーム効果が見込める施策としてマイレージ式プレゼントキャンペーン「MY COSTA COFFEE」に期待を寄せる。同キャンペーンは、業務用・消費財・カフェ店舗で「コスタコーヒー」を購入するとポイントが貯まり景品への抽選などに参加できるものとなる。3月11日から3つのシーズンに分けて年間を通じて展開していく。
「マイレージ的なプロモーション活動となり、様々なところで『コスタコーヒー』のおいしさに加えて楽しさを体験していただける。季節的なプロモーション活動も統一した形で将来的に実施していきたい」と語る。
プロモーション効果を最大限発揮すべく各事業をさらに拡大。「いつでもどこでも統一した『コスタコーヒー』のカフェ体験をしていただく」のが狙いだ。
業務用は全国約1千200か所以上で展開。「某大手のシネマチェーンほぼ全店で『コスタコーヒー』が飲めるようになっている」という。
カフェ店舗はすでに6店舗へと拡大。3月9日に7店舗目がオープン。
消費財は「特にこの2年間、本格的なコーヒーの訴求に非常にこだわってやってきたが、さらなるファンづくりのためには、おいしいコーヒーを飲みつつ気分も上がるような情緒的なところも今後マーケティングしていく」との考えのもと、飲料と家庭用嗜好品(ホームカフェシリーズ)を刷新。
カフェ店舗で先行して展開しているグローバルデザインコンセプト「Uplift」(わくわくする、気分が上がる)とも連動してパッケージを一新し、ペットボトル(PET)コーヒーの「コスタコーヒー プレミアムラテ」と「同プレミアムブラック」は味わいにも磨きをかけた。
加えて、PETコーヒーでは、高まる止渇・中容量ニーズに対応すべく440㎖サイズに挑む。
新たに「コスタコーヒー デイ&リフレッシュ」シリーズを立ち上げ「リトルスイートラテ」と「カフェブラック」の2品を3月25日からコンビニで先行発売する。新シリーズの狙いについて、成岡誠マーケティング本部コーヒー事業部マーケティングディレクターは「もともと、こだわりの小型サイズで嗜好性のより強いシーンを獲得していたが、今すごく伸びている止渇系に対しても価値が届けられると考えチャレンジする。プラットフォームをさらに大きくしていく」と説明。
飲用シーンと飲用層を拡大すべくコミュニケーションも刷新。新ブランドアンバサダーに綾瀬はるかさんを起用しTVCMほか店頭・デジタル各種キャンペーンを順次展開する。「いろいろなシーンでカフェ体験をして結果的に気持ちが高揚、あるいは満たされることを目指していく」(金澤氏)考えだ。
「ジョージア」ブランドとの役割分担については「しっかり棲み分けはできている。かつ、どの場所で飲んでいただくかという点、ブランドのポジショニングもしっかり整合性はとれている」と述べる。
大容量のリキッドコーヒー・濃縮コーヒー・レギュラーコーヒー(粉)の「コスタコーヒー ホームカフェシリーズ」については、家庭内でこだわりのコーヒーを飲みたい層のニーズに応えるとともに、同層のPETコーヒーへのトライアルやPETコーヒーユーザー流入の双方向効果を見込む。