日本パレット協会では11月10日、「2024年物流問題」の解決に向けて取り組む企業を対象にした相談窓口を協会ホームページ上に設置した。「2024年問題への対策相談室」では、荷主業界団体や個別企業から寄せられた相談事項に対して、日本パレット協会事務局と会員企業が課題解決に向けサポートする。具体的にはパレットの有効活用などを想定しており、場合によっては他の物流団体との協力や、会議への参加、講演会の講師派遣、執筆などの要望にも応える考え。
10日に都内で開かれた記者発表会で加納尚美会長(日本パレットレンタル会長)は、23年度上期の経過や下期の活動計画を報告。協会では、官民連携で進める「パレット標準化推進分科会」に関する情報提供や、アジアパレットシステム連盟(APSF)の「ロードマップ2030」策定に向けた取り組みなどをサポートしてきた。
下期については来年3月まで活動を予定する「パレット標準化推進分科会」に参画するとともに、「活動推進会ENOGU」にも協力。さらに11月30日に中国・西安で開かれる国際パレット会議に参加し、民間レベルで日中韓パレットRTI(リターナブル輸送器材)化推進に向けた協力体制を強化する。政府による日中韓RTI実証輸送の実施についても支援する予定だ。
加納会長は「24年問題」の見通しについて「現時点で企業のパレット発注が相次ぐといったことは起きていない。個々で温度差があるように思う。しかし数年内には法制化されるだろうし、政府がパレット輸送を推進すべく補助金の交付も検討していると聞く。当協会もパレット化を進めるために国交省に後押しを要請しているところだ。パレット輸送を進めなければ何も始まらない。混迷期が4、5年は続くと想定しているが、35年ごろまでにはレンタルパレットが普及するのではないか」と自身の見解を述べた。