安売り傾向の紅茶ティーバッグ市場に付加価値化の動き その一役は「日東紅茶 ミルクとけだすティーバッグ」 三井農林が見解

 三井農林の竹田一也企画本部商品企画・マーケティング部部長は、このほど開催された発表会で、安売り傾向にある家庭用の紅茶ティーバッグ市場で値上げによらない単価アップの動きがみられたことを明らかにした。

 竹田部長は外部の調査データを引き「家庭用紅茶ティーバッグの平均売価はこの4年間で、30円ほど上がった。昨年はほとんどの紅茶メーカーが値上げを行わなかった中で、平均売価30円アップは大きなインパクトだと捉えている」との見方を示す。

 この単価アップに一役買っているものに竹田部長が挙げるのが同社の「日東紅茶 ミルクとけだすティーバッグ」。

 同商品は、茶葉とミルクが一体となった日本初となる新型ティーバッグ。ティーバッグ内にミルク成分であるクリーミングパウダーと茶葉が入っており、お湯を注ぐだけで茶葉本来の香りや砂糖不使用のミルクティーが味わえるようになっている。

 スーパーや量販店などで売られる価格訴求型の紅茶ティーバッグの一杯あたりの価格が10円を下回る中、同商品の一杯あたりの価格は70円弱。
 高単価でありながら、21年8月の本格発売開始以降、好調に推移。紅茶市場の異例の動きとして若年層の新規ユーザーを獲得していることも明らかになった。

 紅茶ユーザーのボリュームゾーンは40‐60代である中、紅茶ティーバッグ購入経験のない層や若年層にも購入されているという。

 「紅茶市場が出来上がって60年近くになり、スタンダードの紅茶ティーバッグは価格訴求一辺倒でかなり伸び悩んでいたが、最近になって、商品の売り方、見せ方、お客様への提案の仕方が変わることで従来以上に付加価値商品が認められる傾向にある。もっと盛り上げていけば、まだまだ市場成長できる」と期待を寄せる。

 このような期待感もあり、秋冬にはさらなる新提案を予定。
 「今年の秋は、もう一歩踏み込み、テリトリーの枠外に飛び出るようなシリーズ展開を考えている。プロダクトアウトだけの発想ではなく、お客様の声を聞きながら我々が長年培った研究・技術力を活かして注力していく」と意欲をのぞかせる。