日清のチルド麺 ニーズ多様化にマルチ対応 「本格」「健康」など追求

日清食品チルドは、コロナ禍を経て多様化したニーズに応えるべく、2023年春夏シーズンは「本格」「簡便」「健康」「環境」などをキーワードにした付加価値型商品のラインアップを強化する。伊地知稔彦社長は「いまは何か一つに特化するのではなく、すべてのニーズにマルチに対応していくことが重要になっている。当社が得意とするラーメンを中心とした付加価値ある商品群をさらに伸ばしていきたい」などと話した。

このほど東京本社で春夏商品(3月1日発売)の発表会を開催。市場動向について、伊地知社長は「22年度のマーケットサイズは2千265億円とほぼ前年並み(インテージSCIデータより推計)。コロナ禍前の19年比は大きく上回っており、とくにラーメンが牽引した。主な喫食シーンである『昼食の内食化率』が節約志向もあって高止まりし、需要を下支えしている」と説明。今期の自社ブランドでは、多様なニーズに応える「麺の達人」「スープの達人」、簡便で個食完結型の「鍋焼うどん 日清のどん兵衛」、新商品やキャンペーンが奏功した「太麺焼そば」などが好調だった。

一方、「今後は多様なニーズに全方位で応えていくことが重要」との考えを強調。「メーカーとして価値ある製品を開発し、生活者に提案していく対応力・総合力が一段と求められる」とした。

「王道家 家系油そば」(日清食品チルド) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「王道家 家系油そば」(日清食品チルド)

春夏商品の開発方針は延安良夫取締役マーケティング部長が説明。「23年はWithコロナに物価高の影響も加わり、内食志向の継続や外食代替需要の拡大が予想される」と述べ、「春夏の開発テーマは①5K(簡便、個食、完結、健康、環境)+1H(本格)②プラスワン=新カテゴリーの提案――を掲げた。チルド麺の強み(本格感・おいしさ)を伸ばしながら、弱み(簡便性)の克服にも取り組み、環境・健康などのニーズにも応えていきたい」などと語った。

有名店監修の本格派として「王道家 家系油そば 2人前」を発売。濃厚でキレのある豚骨醤油だれに、もちもちした極太麺をあわせた。別添でラーメン酢付き。価格は560円(税別、以下同)。「行列のできる店のラーメン」シリーズは、夏場の温ラーメン活性化策として「同 鶏塩そば 2人前」を投入。鶏油とねぎ油で仕上げたスープはコク深い味わいが特長。アクセントに生姜の香りをきかせた。550円。素材麺の「麺の達人」シリーズは、西日本向けに3人前をラインアップ。250円。個食対応の「スープの達人」では新フレーバー「同 汁なし担々麺のたれ」を発売。110円。

「もちっとロカボ麺 ゆず塩ラーメン」(日清食品チルド) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「もちっとロカボ麺 ゆず塩ラーメン」(日清食品チルド)

健康志向に応える商品群も拡充。糖質40%オフの「もちっとロカボ麺 1人前」(22年9月発売)が好調なことから2アイテム追加する。「同 平打ち麺 1人前」は、まぜ麺やパスタ風のアレンジも可能な平打ち生中華麺。140円。「同ゆず塩ラーメン 2人前」は上品な塩味スープと中細麺の相性が良い。季節にあわせて温・冷の両方でおいしく食べられる。450円。「日清のラーメン屋さん 冷し中華 香味醤油 減塩だれ 2人前」は塩分40%オフを実現した。減塩でもしっかりしたおいしさに仕上げている。375円。

「日清Spa王」ブランドとして「同 喫茶店のナポリタン 2人前」「同 喫茶店のたらこバター醤油 2人前」を新発売。50代以上をメーンターゲットに、昔懐かしい味わいのソースにチルド麺ならではのやわらかくて太い麺をあわせた。フライパン一つの簡単調理。420円。