16.4 C
Tokyo
18.5 C
Osaka
2025 / 11 / 08 土曜日
English
逆光線(コラム)適正利益あってこそ
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

適正利益あってこそ

奈良県桜井市には、海拓榴市(つばいち)と呼ばれる日本最古の市があった。旧暦1月6日(2月5日)には初市が盛大に行われた。江戸時代には、全国から商人が訪れて物の相場を決め、神前に報告しつつ、商売繁盛を祈った。その伝統は昭和の戦争まで続いたという。

▼世の中が変わりこれを引き継ぐのは、地域の名産品である「三輪そうめん」のみになった。毎年2月5日には、三輪明神・大神神社にて、そうめんの初売り価格を占う「卜定(ぼくじょう)の儀」が執り行われる。地域の生産者や販売業者が集まり、「高値」「中値」「安値」から神託をうかがう。今年は「安値」になった。

▼原料および資材関係が高騰し続けるなかの安値託宣に、関係者からため息が漏れた。商品を1円でも高く売りたいのは、そうめんに限らず生産者共通の願いだ。ましてや人の手によってていねいに作られる手延べそうめんは、ほかの業界以上に人件費がかかり、コスト高は深刻だ。後継者を育てるためにも「儲かる仕事」でありたい。

▼食品業界では、この春も値上げ旋風が続く。時代を経て、相場を決める方法は変わっても、適正利益は本来の正しい商売であることに昔も今も違わないはずだ。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点